野口啓代、野中生萌が全国のクライマーとオンラインで交流。様々なアドバイス送る
東京五輪のゴールド街づくりパートナー、三井不動産が主催する「スポーツクライミングアカデミー」が22日、オンラインで行われ、野口啓代、野中生萌が講師として登場。参加者にトレーニング指南やアドバイスを送り、画面上での交流を楽しんだ。
一流アスリートからオリンピックとパラリンピック競技を直接教えてもらうことのできる1dayスポーツ教室「三井不動産スポーツアカデミー」の一環としてこれまでも開催されてきた「スポーツクライミングアカデミー」だが、今回はコロナ禍により初めてオンラインで実施された。両選手とも初めての出演だというインターネット上でのイベントには、国内各地やアメリカ、タイなど海外からも参加者が集った。
まずは挨拶代わりに、壁内でジャンプするランジ、手だけで登るキャンパシングを披露した2人。続くトレーニングセミナーでは、野中がウォーミングアップ、野口が家でできるトレーニング法を伝授。自宅などから参加した参加者もさっそく実践し、途中で諦めてしまった方には2人から「やる気出して(笑)」といった“イジり”コメントも飛び出すなど、イベントは終始賑やかな雰囲気で進行した。
次なる企画は、参加者の質問に答えていくオンラインコーチング。「握力を強くしたい。2級が登れるようになる練習法を教えてほしい」という質問に対して野口は「課題を登っていく中で握力がついていった。握力を鍛える必要はない」と回答。上達法についても「まずはグレードを上げて(2級を目指す場合は)1級程度の難しい課題にフルパワーでチャレンジした後、疲れている中で得意や苦手な3級課題をバランスよく登る。そうして3級の課題がすべて易しく感じるようになれば、2級にも手が届くはず」とアドバイスを送った。
最も多かったのが、「どのように登るルートを組み立てているのか?」というオブザベーションに関する質問。これには2人とも「どの方向に動くのかなど、まずは全体のラインを見る」と一致。何となくのコース取りを頭に入れた後の組み立て方は異なり、野口は「スタートから組み立てます。スタート位置に立って、スタートからの目線、一手目の距離感などを測る」と解説。野中は「一番難しそうな核心部から考えていく。『その前後はどうなってるんだろう』という感じで、体の位置や重心移動を、まさに自分が登っているようにイメージして描いていきます」として、それぞれのオブザベーションの考え方を明かしてくれた。
1時間のイベントも終わりに近づき、感想を求められた野口は「あっという間過ぎて寂しい。皆さんともっと触れ合いたかった」と名残惜しそうに話すと、野中も「一人ひとりと話せなかったのは残念だったが、SNSなどで気軽に質問してほしい」とコメント。参加者からも「楽しかった」「明日から実践したい」という声が相次ぎ、イベントはオンラインながらも一体感を感じられる内容となった。
野口啓代コメント
「オンラインでのイベントは初めてでしたが、距離を感じずに、むしろ繋がっている感じがあって楽しかったです。(上達したいクライマーに向けたメッセージは)色々と消極的になってしまう時期ではあると思いますが、こういったオンラインでのイベントなどにも積極的に参加していただくなど、常に刺激を受けることが大切だと思います。(東京五輪に向けて)来年は今年よりもいい仕上がりで迎えられる自信がありますし、今年の冬にどんなトレーニングをして、オリンピックをどんな状態で臨めるのか、今から楽しみにしています」
野中生萌コメント
「とても楽しかったです。オンラインでしたが、思ったよりも温度差がなく、皆さんも積極的に質問していただいてよかったです。(上達するうえで大切なのは)モチベーションが何よりも大事だと思います。行き詰まっていたら遠慮なくSNSなどで質問してください。それをモチベーションに変えて、クライミングを上達してほしいですね」
三井不動産 東京2020スペシャルサイト「BE THE CHANGE」
CREDITS
取材・文 編集部 / 写真 大杉和広