最終課題での逆転優勝を決めた中村真緒

中村真緒が国内シニア初戴冠! 最終課題で大逆転【Top of the Top 2020】<女子ボルダリング決勝>

 2020年のスポーツクライミング日本代表選手たちで争われる特別大会「Top of the Top 2020」(石鎚クライミングパークSAIJO=愛媛県西条市)の女子ボルダリング決勝が31日夕方に行われ、野口啓代、伊藤ふたばらを抑え、中村真緒が最終課題での逆転優勝を果たした。

 決勝は先頭の久米乃ノ華、2番手の平野夏海がゾーン到達すらままならず、完登は難しい課題かと思われたが、3番手・野口の圧巻の一撃で流れは一変。後続の工藤花はゾーン獲得、中村は5トライ、伊藤は3トライで完登する。

 コーディネーション系の第2課題でも、誰も登れなかった状況で野口が一撃。中村は何度かゾーンにたどりつくも落下、伊藤は2トライで完登し、野口、伊藤が2完登で抜け出した。第3課題では久米、平野が決勝初完登を決めるなど5人が登りきり、上位の順位は変わらずに最終課題へと突入する。

3課題連続の一撃で優勝に王手をかけた野口だったが…。

 序盤が強傾斜となっている最終第4課題は、強傾斜からランジするコーディネーションムーブが鬼門となった。4トライ以内に完登すれば優勝が決まる野口は、負荷のかかるムーブに耐えきれず、ゾーンまで届かない。ここで初めて野口が失敗する。

 完登すれば優勝への可能性が残るトライとなった5番手の中村は、4トライ目でランジを決めてゾーンを獲得すると、そのままTOPホールドに到達。完登数で野口、伊藤に追いつき、ゾーン獲得数では上回ったことで、暫定首位に躍り出る。

最後まで優勝の可能性が残っていたが、ついに攻略できなかった伊藤ふたば。

 最終競技者は、ゾーンを取れば優勝が決まる伊藤。しかし、コーディネーションムーブが決まらずにトライを重ねてタイムオーバー。3完登4ゾーンの中村が、3完登3ゾーンの野口(2位)、伊藤(3位)を抑え、最終課題での大逆転で国内シニア大会初の戴冠となった。表彰台には及ばなかったが、4位・久米、5位・平野、6位・工藤花も久々のボルダリングの大会で健闘をみせている。

<リザルト>

1位:中村 真緒(青山学院大学)/3t4z 10 19
2位:野口 啓代(TEAM au)/3t3z 3 3
3位:伊藤 ふたば(TEAM au)/3t3z 6 6
4位:久米 乃ノ華(船橋市立船橋高等学校)/1t1z 1 1
5位:平野 夏海(国士舘高等学校)/1t1z 3 1
6位:工藤 花(山形城北高等学校)/0t2z 0 9

※左から氏名、所属先、成績
※成績は左から完登数、ゾーン獲得数、完登に要した合計アテンプト数、ゾーン獲得に要した合計アテンプト数

「Top of the Top 2020」大会特設サイト
大会公式掲示板(競技順・成績速報などはこちらから)

CREDITS

取材・文 編集部 / 写真 窪田亮

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