土肥圭太「あまり練習しないようにしていた。驚きしかない」 スピードジャパンカップ2020
22日にモリパークアウトドアヴィレッジ(東京・昭島)で行われた第2回スピードジャパンカップで、男子は「スピードの練習はあまりしていなかった」という19歳の土肥圭太が驚きの優勝を決め、国内シニア大会初の頂点に立った。以下、大会を終えた男子選手たちのコメント一覧。
関連記事:土肥圭太が国内シニア初制覇!
優勝:土肥圭太
「本当に驚きしかない。優勝できると思って練習してきたわけではないので、色んな偶然が重なってラッキーだった。僕は練習をし始めてしまうと結構悩んでしまうので、1年前くらいからスピードはあまり練習しないようにしていた。大会ずつでしかやっていなくて、昨年の中国のW杯とチャイナオープン、トゥールーズでの予選大会、それから一昨日の練習くらいしかやっていない。一昨日は全然良くなくて、今日はこれ以上やってもダメだと、4本やって帰ってしまった。悪いフィーリングが残ってしまうのが嫌だったので、悪いなら悪いですぐ切り上げてしまいたいし、良かったら続けていたいと思っていた。その判断が良かったと思う。6秒台が出せることは全然イメージしていなかったが、気温が高かったのがよかった。去年の大会くらい寒かったら厳しかった。アジア選手権に向けてこの優勝は大きな一歩になったと思う。そこに出場できたとしても五輪の枠に入れるかは裁判の問題もあって、まだ本当になにもわからない状態ではある。でも、とりあえずコンバインドを続けられるという安心感はある」
2位:楢崎智亜
「決勝も準決勝までのように安定したタイムを出せば勝てていたと思う。壁を蹴っている感触などからもう少しタイムが出せると思って、6秒台前半の良いタイムを狙っていったら足が滑ってしまった。(中盤の新ムーブ『マルチンスキップ』を試した感触は)マルチンスキップはもう安定していて良い感触だった。スキップをした後に体が左に流れていないので、ずっと真っ直ぐ蹴ることができているのでそこは良かった。前回はみんなもそれほどタイムが出ていなかったけど、今回は少しタイムが速くなっているので、このまま夏はもっと速くなっているはず。夏までに5秒台は出るかなと思っているが、5秒台ギリギリに入るくらいでは五輪本番での自分の順位は変わらないと思う。5秒台が安定して出せるくらいにはなりたい」
3位:竹田創
「(大会を振り返って)優勝か6.2秒を出すと決めていたので、及第点はあげられないと思う。大会パワーで6.2秒を出せればと思っていたが、まだまだだった。7.1秒台で並ぶ選手もでてきて、焦った部分はあったが、できるだけ自分のパフォーマンスを出せるように意識した。(楢崎との対戦について)決勝ラウンドではいつもミスしないという意識でいたが、今回は攻める意識で、『勝つ』という意識でいって、そしたらミスしてしまった。(さらにタイム縮めるためには?)後半部の若干間が空いた部分、ムーブが停滞する部分の飛び出しをもっと速くしていけばタイムは短縮できると思う。まずは自己ベストの6.4秒の壁を越えて、6.2秒を出してから、5秒台を目指していきたい」
6位:楢崎明智
「風が吹いている時は少しやりづらかったが、気温も高かったので登りやすかった。調子は良かったが、決勝トーナメントで土肥君と当たる時に初っ端から右足が滑ってしまい加速できなかった。(スピードはどのようなテーマを持って練習している?)上部のランジした後のパートの、チモフェーエフ(ロシア人選手)ムーブと、トモアスキップした後に今までは右足を踏むことがなかったが、踏むようにすることを練習してきた。今日は加速もできたので、上部パートの調子は良いと思う。5月のコンバインドジャパンカップまでには、自己ベストを超える6.5秒以上は出しておきたい」
15位:池田雄大
「(決勝トーナメントの初戦は難しいもの?)1/16と1/8ファイナルは、(予選順位が上の)左レーンの選手は勝たないといけないみたいなモチベーションになるので、『こいつに勝ちたい』というポジティブなプレッシャーじゃなくて、『これは勝って当然でしょ?』みたいなネガティブなプレッシャーがかかる。わかりやすく言うと、強敵用、安全運転用のムーブがあるが、安全運転で行って『あれ速いな?』と焦ってしまい、抜かれて追いつこうとしたが、気持ちが空回りしてしまった。今日の環境はベストではないので、これが温かくなってくると、6秒台前半を出せるような力はみんな持っていると思う。楢崎智亜選手は夏ごろに5秒台は出せるはず。でもこっそり自分が先に5秒台を出したいと思っている(笑)。今年は3月にジムを(千葉県一宮町に)OPENするのと、トレーニングに時間を充てていくつもり。そして2024年のパリ五輪を目指していきたい」
16位:藤井快
「今出せるベストは出せたと思う。決勝では風の影響ではなく、普通に足が滑ってしまった。体も動いていなくて、うまく足が上がっていなかった感じ。ボルダリングジャパンカップ後のトレーニングの疲れが取れていないので、コンディション調整が上手くいかなかった。心的ストレスはあるが、ここが頑張りどころだと思う」
CREDITS
取材・文 篠幸彦、編集部 / 写真 窪田亮