藤井快が自身初の複合制覇。女子でも倉菜々子が大会3つ目の銀／アジア選手権2019【コンバインド】

　10日、大会最終日を迎えたクライミングアジア選手権2019（インドネシア・ボゴール）はコンバインド男女決勝を行い、男子は藤井快がリード種目に続く金メダルを、女子では倉菜々子が今大会3つ目の銀メダルを獲得した。

　3つの単種目にエントリーした選手の中で、それぞれの順位を掛け算したポイントが少ない上位8名で争われる今大会のコンバインド決勝。日本からは、男子が藤井、緒方良行、今泉結太、天笠颯太の4名、女子は倉が進出した。

　男子決勝は、第1種目のスピードから日本勢に明暗が分かれる。初戦を制したのは藤井のみで、そのほかの3名は5位以下に沈んでしまう。

　スピード4位となった藤井は、第2種目ボルダリングで第1課題を初登、第3課題は一撃して唯一の2完登を記録。総合成績でも4ポイントでファッチャー・ロジ（インドネシア）と並び首位タイとなる。最後に一撃をマークした緒方、今泉もこの種目2、3位につけ、上位フィニッシュに望みをつないだ。

　最終種目のリード。今大会の単種目王者である藤井にとって、同15位だったファッチャーを上回ることは難しいものではなく、ファッチャーの高度25+を大きく超える同33をマーク。合計16ポイントで、コンバインド種目における自身初の優勝を成し遂げた。

　総合2位には33+でリード2位に入った緒方が、同3位にはリードで唯一の完登者となった今泉がスピード最下位からの逆転で入り、ボルダリング、リードに続く今大会3度目の日本男子表彰台独占となった。天笠は6位に終わっている。

　一方の女子決勝では、第1種目のスピードで2日前に自己ベストを更新した倉が初戦を制し3位スタートを決める。続くボルダリングでは第1課題こそゾーンのみにとどまり出遅れたが、第2、第3課題を連続で一撃。アテンプト差でこの種目1位となった。

　合計成績でもイコマ・ヌロ（インドネシア）と3ポイントで1位タイとなった倉。最後のリードはイコマより上位に入れば優勝、下位だと準優勝の状況の中、イコマの高度15+に対し倉は14+。わずかの差で敗れてしまった倉だったが、ボルダリング、リードに続き、この大会3つ目の銀メダルを獲得した。

　これでアジア選手権2019は全日程を終了。楢崎智亜、野口啓代らが不在の中、日本は国別1位となる12個のメダルを獲得し、改めて厚い選手層を示している。

女子表彰台＝（左から）倉菜々子、イコマ・ヌロ、リー・ホンイン。倉は今大会3つ目の銀メダル獲得となった。

＜コンバインド男子決勝＞

1位：藤井快
　16ポイント（S 4位／B 1位／L 4位）
2位：緒方良行
　20ポイント（S 5位／B 2位／L 2位）
3位：今泉結太
　24ポイント（S 8位／B 3位／L 1位）
4位：ファッチャー・ロジ（INA）
　24ポイント（S 1位／B 4位／L 6位）
5位：チュン・チー・ショージ・チャン（HKG）
　90ポイント（S 3位／B 6位／L 5位）
6位：天笠颯太
　105ポイント（S 7位／B 5位／L 3位）
7位：リシャト・ハイブリン（KAZ）
　128ポイント（S 2位／B 8位／L 8位）
8位：ムハンマド・ターキウディン・ビン・モァド・ゾーキフリ（MAS）
　294ポイント（S 6位／B 7位／L 7位）
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9位：石松大晟
13位：抜井亮瑛
17位：百合草碧皇

リザルト詳細は国際スポーツクライミング連盟／大会ページから

＜コンバインド女子決勝＞

1位：イコマ・ヌロ（INA）
　12ポイント（S 1位／B 3位／L 4位）
2位：倉菜々子
　15ポイント（S 3位／B 1位／L 5位）
3位：リー・ホンイン（TPE）
　24ポイント（S 4位／B 2位／L 3位）
4位：ソ・チェヒョン（KOR）
　28ポイント（S 7位／B 4位／L 1位）
5位：ラジル・ラカシウィ・カリヅマ（INA）
　60ポイント（S 6位／B 5位／L 2位）
6位：テン・ペイヤン（CHN）
　128ポイント（S 2位／B 8位／L 8位）
7位：フジヤンティ・ウィディア（INA）
　180ポイント（S 5位／B 6位／L 6位）
8位：タマラ・ウルザヴァエワ（KAZ）
　392ポイント（S 8位／B 7位／L 7位）
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9位：高田こころ
10位：栗田湖有
18位：西田朱李