夢のチームコンペティション「La Sportiva Climb Tokyo」が開催

 23日、クライミングシューズブランド「La Sportiva(スポルティバ)」主催の国内初クライミングイベント「La Sportiva Climb Tokyo」がB-PUMP荻窪(東京都・杉並区)にて開催された。

 スポルティバは長年世界のクライミング界をけん引しているイタリア発のシューズブランドで、日本でも野口啓代らが愛用していることでお馴染み。昨年創業90周年を迎えたが、このたび日本では初となるクライミングイベントを実施した。

 イベントのメインは、スポルティバアスリートをリーダーに迎えて行うチーム対抗のコンペティション。会場となったB-PUMP荻窪には、IFSCクライミング世界選手権2019八王子を戦い終えたばかりの野口、森秋彩、伊藤ふたば、小武芽生、楢崎明智らに加え、ヤコブ・シューベルト(オーストリア)、ペトラ・クリングラー(スイス)といった海外選手も顔をそろえた。

会場となったB-PUMP荻窪に国内外のスポルティバファミリーが集結。

クライミング世界選手権2019八王子で3つのメダルを獲得したヤコブ・シューベルトも参戦した。

 チーム数は4つで、ファン、ミドル、オープンの3つのカテゴリーいずれかに申し込んだ参加者がバランスよく各チームに配置された。リーダーには野口、渡部桂太、樋口純裕、小武が就任し、その場で率いるチーム、競技エリアが決定した。

 セッション形式によるチーム戦は、仲間のトライに「ガンバ!」の声援が飛び、完登者はグータッチで迎えられる、和気あいあいとした雰囲気の中で進行した。「色々なカテゴリーの方と交流できる機会があまりないので、みんなで楽しく登れてよかった」(伊藤)、「年齢や強さに関係なく、一緒に登れるのがクライミングの楽しさ」(小武)と、実際に選手からもイベントを楽しむ声が聞かれた。

和気あいあいとした雰囲気でイベントは進行。写真はチームKEITAで共に戦った(左手前から)ステファノ・ギソルフィ、リーダーの渡部桂太、伊藤ふたば。

 勝敗はチームの平均完登数で決定。最も高い数字を出したのは先日東京五輪の代表内定を決めたばかりの野口率いるチームAKIYOだった。表彰後のコメントで野口が「応援し合ったり、ブラッシングしたり、コミュニケーション能力では一番頑張ったんじゃないかと思うので良かった」と団結力を優勝の一因に挙げると、チームメイトの楢崎も「残り5秒でも、ゾーンだけでも取りに行く気持ちで登ってくれたりして感動しました。このイベントのおかげでみんなと仲良くなれましたね」と同調した。

 コンペ終了後のアフターパーティーでは、世界選手権を戦った選手たちを労う場面も見られた本イベント。トップクライマーとの交流を深めた様子の参加者たちにとっては、最後まで夢のような時間だったに違いないだろう。なお、当日にはこのイベントが来夏も開催されることが発表されている。

優勝を決め喜ぶチームAKIYO。

野口啓代コメント
「世界選手権前は大会に集中していたので、こういったイベントは久々で楽しかった。日本でのスポルティバのイベントは初めてで、ずっとスポルティバを履いてきた身としては上手くいくかと心配な部分もあったが、海外選手も多く来てくれたし、皆さんにすごい楽しんでいただけたようで良かったと思う。世界選手権が終わって和やかというか、ピリピリした雰囲気でもなかったので、リラックスして楽しめました。チームAKIYOはだいぶコミュニケーションが取れていて、みんなで一丸となって頑張れたと思います」

ヤコブ・シューベルト コメント
「長年サポートしてもらっているスポルティバの、このようなイベントに参加ができてうれしい。トップアスリートと一般のクライマーが一緒になってそれぞれから学べる機会は最高だと思う。世界選手権とはまったく異なった雰囲気で楽しめたし、参加者も楽しんでくれたはず。オーストリアと比べて、日本には強い一般クライマーが多かった。日本のジムには難しいものから簡単なものまで多くの良い課題が設置されているから、そういった環境が強いクライマーを育てていると思う」

スポルティバ 公式サイト

CREDITS

取材・文 編集部 / 写真 Vladek Zumr

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