楢崎智亜ら日本勢4名が決勝へ。厚い選手層示す/IFSCクライミング世界選手権2019八王子【コンバインド男子予選】
19日、IFSCクライミング世界選手権2019八王子(エスフォルタアリーナ八王子)はコンバインド男子予選を行い、日本の楢崎智亜、藤井快、原田海、楢崎明智の4名が決勝進出を決めた。
日本勢の楢崎智、藤井、原田、楢崎明、土肥圭太の5名が出場した予選。第1種目のスピードは昨日の女子同様、専門選手が上位に君臨。1位はカザフスタンのリシャト・ハイブリンが獲得した。日本勢最高は6.352秒をマークした楢崎智の4位で、5位に藤井、6位に原田が続いた。上位を争うライバルのアダム・オンドラ(チェコ)はミスが重なり最下位20位スタートとなった。
次のボルダリングは、中盤を折り返したところで楢崎明智が暫定トップに立つ。第4課題は多くの選手がスタートからの初手を止めきれなかったが、右足のトウをかけたままムーブを起こしたことで突破に成功。この課題初のゾーン獲得、そして完登者となり、初の3完登に到達した。
しかし後続のアレクサンダー・メゴス(ドイツ)がパワフルな第1課題に耐えきり14番手にして初の完登発進を決めると、第2、第3課題を一撃、第4課題は7トライ目に登りきり、ただ一人の全4完登でこの種目の首位を獲得した。
ここまでの総合首位は最終課題を残り約5秒で登るなどボルダリングでも4位に入った楢崎智亜。1ポイント差でメゴスとハイブリンが追い、原田と藤井も決勝進出圏内につけた。
最終種目のリードは、メゴスがボルダリングの勢いそのままに高度を伸ばしていく。細かいホールドが続く難所を切り抜け、37+まで到達した。その後、今大会銅メダリストのヤコブ・シューベルト(オーストリア)が36まで進んだが、メゴスの記録は保たれ、2種目連続の1位が決定。日本勢も最低限の高度はクリアした。
これで最終順位が決定。1位メゴス、2位シューベルト、3位楢崎智となり、藤井(4位)、原田(5位)、そして楢崎明(7位)も決勝進出条件の8位以内に入った。日本勢は各種目で安定した成績を残し、あらためて厚い選手層を示した。まさかの予選敗退となったのがオンドラ。一時はリードで3位を記録し総合8位で決勝進出のはずだったが、高度10地点で金具を踏む反則を犯したことが判明し、18位に終わった。土肥圭太も15位で敗退となっている。
日本勢4人の中の最上位が東京2020オリンピックの代表に内定する男子決勝は、明後日21日の16時30分からスタートする。
<予選リザルト>
1位:アレクサンダー・メゴス(GER)
17ポイント(S 17位/B 1位/L 1位)
2位:ヤコブ・シューベルト(AUT)
60ポイント(S 15位/B 2位/L 2位)
3位:楢崎 智亜
112ポイント(S 4位/B 4位/L 7位)
4位:藤井 快
175ポイント(S 5位/B 7位/L 5位)
5位:原田 海
234ポイント(S 6位/B 3位/L 13位)
6位:リシャト・ハイブリン(KAZ)
272ポイント(S 1位/B 17位/L 16位)
7位:楢崎 明智
400ポイント(S 8位/B 5位/L 10位)
8位:ミカエル・マウェム(FRA)
432ポイント(S 3位/B 8位/L 18位)
――――――
9位:ルドヴィコ・フォッサリ(ITA)
800ポイント(S 2位/B 20位/L 20位)
10位:ショーン・マッコール(SUI)
810ポイント(S 18位/B 15位/L 3位)
11位:ヤニック・フローエ(GER)
896ポイント(S 16位/B 14位/L 4位)
12位:ナサニエル・コールマン(USA)
960ポイント(S 10位/B 12位/L 8位)
13位:ルドルフ・ルアーナ(USA)
1365ポイント(S 12位/B 18位/L 6位)
14位:ミカエル・ピッコルルアツ(ITA)
1296ポイント(S 7位/B 13位/L 15位)
15位:土肥 圭太
1452ポイント(S 11位/B 11位/L 12位)
16位:イェルネイ・クルーダー(SLO)
1638ポイント(S 13位/B 9位/L 14位)
17位:ヤン・ホイヤー(GER)
2090ポイント(S 19位/B 10位/L 11位)
18位:アダム・オンドラ(CZE)
2280ポイント(S 20位/B 6位/L 19位)
19位:ステファノ・ギソルフィ(ITA)
2448ポイント(S 14位/B 19位/L 9位)
20位:チョン・ジョンウォン(KOR)
2394ポイント(S 9位/B 16位/L 17位)
リザルト詳細は国際スポーツクライミング連盟/大会ページから
CREDITS
取材・文 編集部 / 写真 窪田亮