五輪切符は誰の手に。野口、森、伊藤、野中が決勝に進出/IFSCクライミング世界選手権2019八王子【コンバインド女子予選】
18日、IFSCクライミング世界選手権2019八王子(エスフォルタアリーナ八王子)はコンバインド女子予選を行い、野口啓代、森秋彩、伊藤ふたば、野中生萌の日本勢4名が決勝進出を決めた。
単種目3つすべてに出場した選手の中で、その順位を掛け算したポイントの少ない20名が出場できるコンバインド予選。第1種目のスピードは、昨日この種目で大会2連覇を果たしたアレクサンドラ・ミロスラフ(ポーランド)が試技2本とも7秒台前半でまとめ、貫禄の1位スタートを切る。2位はアヌーク・ジョベール(フランス)、3位はニウ・ディー(中国)で、単種目で表彰台に上がったスピード専門選手が上位を独占した。
彼女たちに次ぐ4位に入ったのは伊藤。リラックスした様子で登場すると、2本目に8.917秒で自己ベストを更新した。1本目で落下となり後がなかった野中も2本目に8.994秒を記録し、5位で上々の滑り出しとなった。注目のヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)は7位、野口は10位発進となった。
続くボルダリングは、伊藤と野口が粘りのトライで全課題を陥落させる。しかし、2016、17年のワールドカップ年間女王ショウナ・コクシー(イギリス)が全てを一撃してこの種目1位を獲得した。2位にガンブレット、3位にペトラ・クリングラー(スイス)が入り、4位から野口、伊藤、野中と続いた。
2種目を終えた時点でガンブレットが暫定首位。8位までの決勝進出圏内に伊藤、野中、野口が入った。
最終種目のリードでは、ここまで暫定19位の森が奮闘する。8位以内に入りたい森は多くの選手が落下した高度35~37を耐えきると、気迫の登りでTOPまで到達した。
その後、野中、伊藤はまずまずの登りで決勝進出圏内にとどまることに成功。コクシー、野口は多くのリードスペシャリストたちと並ぶ36+を記録し、到達時間の差で暫定1、2位となった。
最後に登るのはガンブレット。森と同じか、またはそれに近い高度が予想されたが、この種目8位となる35+でフォール。本人は不満の表情をみせ、暫定1位からランクダウンしてしまう。
これで総合成績が出そろい、1位コクシー、2位野口、3位ガンブレットと続き、さらにリードで唯一完登した森が5位、伊藤が6位、野中が8位となり、日本勢4名が明後日20日の決勝に進出。野中は決勝進出圏外の9位ブルック・ラバトゥ(アメリカ)と同ポイントで並んだが、順位が上回った種目数が多かったため優位に立った。倉菜々子は19位で敗退した。
決勝は8名で行われ、この4名の中での最上位選手がオリンピック代表選手に内定する。
<予選リザルト>
1位:ショウナ・コクシー(GBR)
42ポイント(S 14位/B 1位/L 3位)
2位:野口 啓代
80ポイント(S 10位/B 4位/L 2位)
3位:ヤンヤ・ガンブレット(SLO)
112ポイント(S 7位/B 2位/L 8位)
4位:ペトラ・クリングラー(SUI)
288ポイント(S 8位/B 3位/L 12位)
5位:森 秋彩
288ポイント(S 18位/B 16位/L 1位)
6位:伊藤 ふたば
300ポイント(S 4位/B 5位/L 15位)
7位:アレクサンドラ・ミロスラフ(POL)
390ポイント(S 1位/B 19位/L 20位)
8位:野中 生萌
420ポイント(S 5位/B 6位/L 14位)
――――――
9位:ブルック・ラバトゥ(USA)
420ポイント(S 6位/B 10位/L 7位)
10位:ジェシカ・ピルツ(AUT)
462ポイント(S 11位/B 7位/L 6位)
11位:アヌーク・ジョベール(FRA)
612ポイント(S 2位/B 17位/L 18位)
12位:ジュリア・シャヌルディ(FRA)
792ポイント(S 9位/B 8位/L 11位)
13位:ソ・チェヒョン(KOR)
1040ポイント(S 16位/B 13位/L 5位)
14位:ミア・クランプフル(SLO)
1064ポイント(S 19位/B 14位/L 4位)
15位:ニウ・ディー(CHN)
1111.5ポイント(S 3位/B 19位/L 19位)
16位:ヴィータ・ルーカン(SLO)
1620ポイント(S 20位/B 9位/L 9位)
17位:ルチカ・ラコヴェッチ(SLO)
1800ポイント(S 15位/B 12位/L 10位)
18位:アランナ・イップ(CAN)
2112ポイント(S 12位/B 11位/L 16位)
19位:倉 菜々子
3315ポイント(S 13位/B 15位/L 17位)
20位:エフゲニア・カズベコワ(UKR)
3978ポイント(S 17位/B 18位/L 13位)
リザルト詳細は国際スポーツクライミング連盟/大会ページから
CREDITS
取材・文 編集部 / 写真 窪田亮