緒方良行「コンバインドの選手には負けたくない」。ボルダリング男子予選終了後の選手コメント/IFSCクライミング世界選手権2019八王子

 12日に大会2日目を迎えたIFSCクライミング世界選手権八王子大会はボルダリング男子予選を行い、緒方良行を筆頭に日本男子7名全員が準決勝進出を決めて好スタートを切った。以下、予選を終えた選手たちのコメント一覧。

男子予選リザルト記事:日本男子が好発進!グループ上位を独占
 

アダム・オンドラ コメント(第1グループ1位/準決勝進出)
「ラウンドが始まる前までは少しナーバスになっていたが、最初の課題で一撃できてラッキーだったし、その結果落ち着いてその後の課題に挑むことができた。明日につながる登りができたと思う。全体的な課題の印象としては、普段の大会と同じように難しい課題、易しい課題など様々だった。今大会で最も重要なのは、オリンピック出場権が得られるコンバインドのトップ7に入ること。単種目ではボルダリングで決勝に進めればハッピー。リードでは絶対に表彰台には上がりたいと思っている」
 

楢崎智亜コメント(第1グループ3位/準決勝進出)
「全体的にダメだったが、体自体はフレッシュだし、動けると感じていた。ただ、頭がフレッシュではないというか、現場処理能力をうまく発揮できなかった。昨日は色々考えてしまって、久しぶりにあまり寝られなかった。第1課題は体力的にもキツく、本当に危なかったが、最後のトライは気持ちで取った。それほど難しい課題ではなかったが、少し読み間違えるだけで難しくなってしまう。明日は課題の強度も変わってくるし、もっと考え方を柔らかくしていかないと。ボルダリングは自分の専門だし、一番プライドを持っているのでここを勝ってリード、スピードへのプレッシャーを少なくできればいいと思う」
 

緒方良行コメント(第2グループ1位/準決勝進出)
「今日の予選でかなり仕上がっている気はするので、明日は準決勝にまず集中して決勝の切符を取りたい。ずっとこの世界選手権のコンバインドで勝って五輪の切符を取ることを目標にやってきた。そのコンバインドに出られないとわかったときは落ち込んだが、そこからはボルダリングの単種目に切り替えて絶対優勝してやるという思いで練習をしてきた。明日はもっと良いパフォーマンスが発揮できると思う。僕はボルダリング1本に集中して調整をしてきたので、コンバインドに出る選手たちには負けたくない思いがある」
 

藤井快コメント(第2グループ2位/準決勝進出)
「トライ回数は少なかったし、感覚は悪くなかった。登れなかった課題はあったが、内容としても悪くない。日本開催というアドバンテージを感じられて、ボルダリングジャパンカップをやっているような感覚で臨めた。単種目がコンバインドの予選という位置付けではあるが、単種目で強いというのは自信になるし、このあとにもつながる。ボルダーとリードでしっかりと結果を出して勢いをつけたい。1日目の山場を越えられたと思うが、明日はもっと高い山になる。しっかりと自分を信じて、自分のパフォーマンスを引き出せるようにしたい」
 

杉本怜コメント(第2グループ3位/準決勝進出)
「昨年予選落ちしていたので、今回は緊張していた。ただ、きっちりと調整してきたので、予選は自信をもって臨めて、それなりに良い結果も残せた。2日レストしてきたので体がまだ起きていないという感覚があったが、しっかりアップをしたらだいぶ動き始めて本番ではやるべきことができた。第1課題は相当難しいルートだったと思うが、みんな難しいというのは一緒なのでメンタルをきっちりと保ってそのあとに切り替えることが重要だった。ボルダリングとスピードのみの出場で、明日が一区切りと考えているので全力投球したいと思う」
 

土肥圭太コメント(第2グループ4位/準決勝進出)
「日本人の歓声が聞こえることが(国際大会で)あまりないので、ジャパンカップのような雰囲気に惑わされかけたが、何とか緊張感を保ったまま登れた。緩傾斜で、パワフルではない得意な壁を2つとも登れなかったので悔しい。1課題目はどうバランスを取ってゴールを両手で持っていいのかわからなかった。でも苦手な課題は登れて、何とか通過できそうな順位に付けれたのでギリギリ合格点かなと思う。結果ばかり見すぎると僕はあまりよくないので、自分のいい登りができたら決勝進出や表彰台の可能性もなくはないと思っている。自分の満足いく登りができるように、気持ちよく終われるように頑張りたい」
 

原田海コメント(第2グループ5位/準決勝進出)
「動きはそこまで悪くなかったが、全体的に距離が遠く、課題が難し目だったという印象。前回優勝しているということはあまり考えずにいつもの予選の感じで臨んでいる。第1課題で登れなかったのは(正解の)ムーブに気がつくのが遅かったのが原因。第2課題は(時間的に)ラストのトライで登るのは苦手だったので、あそこで最後に登れたのは嬉しかった。今大会はコンバインドだけを重視しているわけではなく、ボルダリングでもリードでも優勝を狙っている。明日はいつもと変わらずに登ることを意識してやりたい」
 

楢崎明智コメント(第2グループ6位/準決勝進出)
「今回の世界選手権に向けて、(兄の)智君としっかり調整をしてきて、練習でもウォーミングアップでも調子が良かったが、第1課題から登りやすい課題が登れないことが続いて崩れてしまった。今シーズンの中で一番調子は良いと思う。予選は通過できそうなので、明日は調子が良いところを見せられたら。今日は試合の流れが悪かっただけで、フィジカル面で劣っていたわけではないので明日は大丈夫なはず」

CREDITS

取材・文 篠幸彦、編集部 / 写真 窪田亮

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