楢崎智亜が大会2連覇!スピードでも日本記録を更新/第2回コンバインドジャパンカップ【男子決勝】
26日午前、第2回コンバインドジャパンカップ(石鎚クライミングパークSAIJO=愛媛・西条)の男子決勝がおこなわれ、昨年王者の楢崎智亜が大会2連覇を果たした。残り1つとなっていた世界選手権行きの切符は、オリンピック強化Sランク選手を除いて最上位の4位となった土肥圭太の手に渡った。
予選のタイムレース方式から、勝ち抜きのトーナメント方式となった決勝第1種目のスピード。1位を決める最終ラウンドは、楢崎智亜と藤井の日本を代表するクライマー同士による対戦となった。ともに6秒台の自己ベストを持つ両者は序盤から互角の戦いをみせるも、勝ったのは楢崎。6秒291で日本記録を更新し、6秒475の藤井を振り切った。
第2種目のボルダリングは、スピードで最下位となった土肥が息を吹き返す。世界選手権の代表枠を掴むには得意種目で上位に入るしかない土肥は、第1、第2課題をそれぞれ2トライでまとめる。集中力の途切れない土肥は、巧みな足技で最終第3課題を一撃。全課題をただ1人登りきって合計8ポイントとし、総合2位へとジャンプアップした。総合1位はこの種目3位で合計3ポイントの楢崎智亜。ホールド間でジャンプを繰り返し位置を修正するなどの“らしさ”をみせて会場を沸かせるなどし、連覇に向けて好位置につけた。
最終種目のリード。世界選手権の代表入りへわずかに可能性が残る石松大晟、抜井亮瑛だったが、高度を伸ばしきれずに力尽きる。スピードでの3位からボルダリング4位で土肥に逆転を許していた緒方良行は、終盤の高度34に到達して土肥の結果を待つことに。そして7番手で登場した土肥は、緒方と同高度以上を記録すると世界選手権行きが決まる状況だったが、奇しくも緒方と同じ高度34となり、オリンピック強化選手を除く選手の中で最上位を確定させた。
優勝のゆくえは、最終8番手の楢崎智亜の結果次第となった。総合成績の暫定1位は、この種目で予選に続いて完登を記録した原田海。12ポイントとし、楢崎がリードで4位以下になると頂点に立つ計算に。反対に3位以上で大会2連覇が決まる楢崎は、持ち味であるテンポの良いムーブで高度を伸ばしていく。最後はTOPに手をかける35+で2位に入り、原田を抑えて2年連続での戴冠となった。楢崎、原田に次いで3位に入ったのは藤井快。表彰台は、オリンピック強化Sランク選手が独占する結果となった。
これで世界選手権(8月、八王子)の選考も兼ねたコンバインドジャパンカップ男子の全日程が終了。代表に内定したのは、昨日予選通過の時点で条件をクリアしていたオリンピック強化Sランク選手の楢崎智亜、原田、藤井、楢崎明智、そして彼らを除いた選手の中で最上位となった土肥圭太の5名となった。
<決勝結果>
1位:楢崎 智亜(TEAM au)
6ポイント(S 1位/B 3位/L 2位)
2位:原田 海(日新火災)
12ポイント(S 6位/B 2位/L 1位)
3位:藤井 快(TEAM au)
36ポイント(S 2位/B 6位/L 3位)
4位:土肥 圭太(鹿児島県山岳・スポーツクライミング連盟)
40ポイント(S 8位/B 1位/L 5位)
5位:緒方 良行(神奈川大学)
72ポイント(S 3位/B 4位/L 6位)
6位:楢崎 明智(TEAM au)
80ポイント(S 4位/B 5位/L 4位)
7位:抜井 亮瑛(奈良県山岳連盟)
280ポイント(S 5位/B 8位/L 7位)
8位:石松 大晟(Base Camp)
392ポイント(S 7位/B 7位/L 8位)
※上段左から氏名、所属先
※下段左から各種目順位の値を掛け合わせた総合ポイント、各種目順位(S=スピード、B=ボルダリング、L=リード)
CREDITS
取材・文・写真 編集部