ハイペースでTOPまで登りつめ男子首位となった楢崎智亜

実力伯仲の準決勝。楢崎智亜、平野夏海が首位通過/第32回リードジャパンカップ【準決勝】

 3日午前、第32回リードジャパンカップ(松山下公園総合体育館=千葉県・印西市)の準決勝が行われ、男女各8名のファイナリストが決定した。

 男子は1番手の楢崎明智がいきなりTOPへのムーブを起こす40+を記録すると、結果的にこれが決勝への進出ラインとなる。後続の昨年大会(日本選手権リード競技大会)王者である是永敬一郎、杉本怜、西田秀聖、藤井快の4人が同高度で並ぶと、21番手の田中修太が自らを鼓舞しながらTOPまで登りつめて雄たけびを上げる。田中を1分以上上回るハイペースで完登を決めたのが楢崎智亜で、制限時間まで半分以上となる約3分50秒を残して最終支点にロープをかけた。

 予選2位ながら涙を呑んだのが原田海。39+を記録した原田は最終競技者の清水裕登が登る時点で通過ライン上の8位に位置していたが、清水が40+をマークしたことによって決勝進出の芽は潰えた。

予選に続き女子首位で準決勝を通過した平野夏海。

 女子では、競技者が予選上位に進むにつれて最高高度も上昇していく展開。このルート最初の完登者となったのが17番手の中川瑠。昨日誕生日を迎えたばかりの15歳が殊勲の登りを見せてこの日一番の歓声を浴びた。彼女に続き、昨年のファイナリストである田嶋あいか、森秋彩、野口啓代の3名と、予選首位の平野夏海も完登を果たした。

 残る決勝への3枠に入ったのは、35+を記録した谷井菜月、小池はなの10代2人と、今年のジャパンカップでボルダリング、スピードと2連覇中の野中生萌で、野中と同じ34+ながら予選の順位で劣る伊藤ふたばは惜しくも9位で準決勝敗退となった。

 実力伯仲の熱戦が続くリードジャパンカップ。運命の決勝は、このあと15時から開始予定。

 

<選手コメント>


原田海コメント
「あと一手で決勝だったので悔しいです。リード自体のトレーニングはそれほどしていなかったんですけど、昨シーズン終わってから持久力(長モノ系課題)をしっかりやってきていて、ベースがしっかりできていたので自信はありました。持久力が限界で落ちたというわけではなく、ヒールが抜けて落ちてしまった。試合勘や気持ちの面で負けた感があって、そういったことは大会に出てみないとわからないので、ある意味この大会で実感できたのはよかったです。(8月の世界選手権の目標は)ボルダリングは2連覇を目指します。コンバインド決勝にはボルダリングを連覇すると必然的に残れると思うので、まずはそこを頑張りたい」
 

伊藤ふたばコメント
「準決勝は結構良い登りができていたのかなと思うんですけど、最後の一手を出すときに左足でいけていれば余力はまだあったのかなと思います。そういうムーブの選択ミスは実力不足でした。決勝に残れなくて悔しいですし、この差を埋められるように8月の世界選手権に向けてしっかりとトレーニングをしていきたいと思います。予選で2ルート目を完登していればカウントバックで8位タイで残れたと思うので、予選からしっかりと実力を出していかなければいけないくらいレベルが上がっているなと感じました」
 

<決勝進出者>

【男子】
1位:楢崎 智亜(22/TEAM au)/TOP ※予選3位
2位:田中 修太(18/新潟県立直江津中等教育学校)/TOP ※予選5位
3位:清水 裕登(23/愛媛県山岳連盟)/40+ ※予選1位
4位:藤井 快(26/TEAM au)/40+ ※予選7位
5位:西田 秀聖(16/私立天理高等学校)/40+ ※予選11位
6位:杉本 怜(27/マイナビ)/40+ ※予選16位
7位:是永 敬一郎(23/埼玉県山岳連盟)/40+ ※予選17位
8位:楢崎 明智(19/TEAM au)/40+ ※予選25位

【女子】
1位:平野 夏海(16/私立国士舘高等学校)/TOP ※予選1位
2位:野口 啓代(29/TEAM au)/TOP ※予選3位
3位:森 秋彩(15/つくば市立手代木中学校)/TOP ※予選5位
4位:田嶋 あいか(20/慶應義塾大学)/TOP ※予選6位
5位:中川 瑠(15/大阪府山岳連盟)/TOP ※予選10位
6位:谷井 菜月(15/橿原市立光陽中学校)/35+ ※予選1位
7位:小池 はな(13/埼玉県山岳連盟)/35+ ※予選4位
8位:野中 生萌(21/XFLAG)/34+

※左から氏名、年齢、所属先、成績

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CREDITS

編集部 / 写真 窪田亮

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