男女ともシビアな幕開け。女子は2人の10代が躍動/第32回リードジャパンカップ【予選】
2日、第32回リードジャパンカップが松山下公園総合体育館(千葉県・印西市)で開幕し、予選が終了した。女子では平野夏海と谷井菜月が2ルートをともに完登して首位に並び立つと、男子は清水裕登がトップ通過を決め、2位に原田海、3位に楢崎智亜が続いた。
予選は男女とも昨年大会(日本選手権リード競技大会)に比べると完登者が少ないシビアな展開となった。女子は昨年予選で2ルート完登者が8名現れたが、今大会は野口啓代や伊藤ふたばでも両完登とはいかず。この状況を打破したのが、16歳・平野と15歳・谷井の10代コンビだった。昨季W杯で決勝進出の実績がある平野は、第1ルートで昨年女王の森秋彩がこれまでの最高高度を更新する37+を記録した直後に登場。危なげなく最後まで登り切ってこのルートの初登者になると、第2ルートでも圧巻の登りで頂点までたどりつき、片手でTOPを保持しながら最終支点にロープをクリップするなど余力を残しての決勝進出となった。1学年下の谷井も、世界ユース2018でリード女王となった実力を示し悠々と両ルート完登を果たした。彼女たちに及ばなかったものの、昨年表彰台の森、野口、伊藤をはじめ、今年のボルダリング、スピードのジャパンカップで優勝している野中生萌も準決勝進出を決めている。
男子でも昨年予選は12名の両ルート完登者が出たが、今大会はゼロに。そんな中、抜群の安定感で首位に立ったのが昨季W杯で決勝も経験した23歳の清水。13番手で登場した第2ルートを初登すると、第1ルートでもTOPに迫る高度39を記録した。オリンピック強化選手の原田、楢崎智亜が不安を感じさせない登りで清水に続くと、怪我からの復帰戦となった昨年王者の是永敬一郎も17位で無事に準決勝進出を決めている。
一方で多くの有力選手が苦戦を強いられた。世界選手権2018で4位の楢崎明智は通過ラインぎりぎりの25位タイで何とか望みをつないだが、オリンピック強化選手の緒方良行はライン下の27位、W杯常連で昨年ファイナリストの波田悠貴は30位、ボルダリングジャパンカップ王者の石松大晟は34位でまさかの敗退となった。予選上位の26名で争われる準決勝は、明日10時開始予定。さらに激しさを増す戦いから、目が離せない。
<準決勝進出者>
【女子】
1位:平野 夏海(16/私立国士舘高等学校) TOP/TOP
1位:谷井 菜月(15/橿原市立光陽中学校) TOP/TOP
3位:野口 啓代(29/TEAM au) 38+/TOP
4位:小池 はな(13/埼玉県山岳連盟) 38/TOP
5位:森 秋彩(15/つくば市立手代木中学校) 37+/TOP
6位:田嶋 あいか(20/慶應義塾大学) 38/40+
7位:野中 生萌(21/XFLAG) 34+/TOP
8位:廣重 幸紀(23/福井県山岳連盟) 35+/38+
9位:伊藤 ふたば(16/TEAM au) 34+/40+
10位:中川 瑠(15/大阪府山岳連盟) 30+/TOP
11位:小武 芽生(21/エスエスケイフーズ) 34/40+
12位:栗田 湖有(16/私立東京学館新潟高等学校) 34+/38+
13位:大田 理裟(26/山口県山岳・スポーツクライミング連盟) 32+/40+
14位:樋口 結花(17/佐賀県山岳・スポーツクライミング連盟) 34/38+
14位:石井 秀佳(13/東京都山岳連盟) 34/38+
16位:高田 こころ(19/早稲田大学) 32+/39+
17位:美谷島 ももか(15/私立日本大学中学校) 34+/33+
18位:柿崎 未羽(15/東京都山岳連盟) 34+/33
19位:森 奈央(13/三重県山岳連盟) 32/35+
20位:森脇 ほの佳(19/羽衣国際大学) 34+/15+
20位:髙尾 知那(14/愛知県山岳連盟) 34+/15+
20位:義村 萌(21/愛知淑徳大学) 34+/15+
23位:小林 舞(14/三重県山岳連盟) 30+/38
24位:野部 七海(14/埼玉県山岳連盟) 32+/33+
24位:工藤 花(15/山形市立第四中学校) 32+/33+
24位:菊地 咲希(16/東京都立世田谷総合高等学校) 32+/33+
【男子】
1位:清水 裕登(23/愛媛県山岳連盟) 39/TOP
2位:原田 海(19/日新火災) 35+/34+
3位:楢崎 智亜(22/TEAM au) 29/TOP
4位:高田 知尭(24/鳥取県山岳・スポーツクライミング協会) 27+/TOP
5位:中上 太斗(19/福井県山岳連盟) 35+/31+
5位:田中 修太(18/新潟県立直江津中等教育学校) 35+/31+
7位:藤井 快(26/TEAM au) 35/32+
8位:武者 知希(20/北海道山岳連盟) 30+/33+
9位:樋口 純裕(26/佐賀県山岳・スポーツクライミング連盟) 25+/TOP
10位:井上 祐二(23/福井県山岳連盟) 32+/31+
11位:西田 秀聖(16/私立天理高等学校) 27+/32+
12位:百合草 碧皇(16/埼玉県山岳連盟) 26+/33+
13位:野村 真一郎(22/茨城県山岳連盟) 27+/31+
14位:本間 大晴(19/日本大学) 24/34+
15位:川畑 イサム(18/鹿児島県山岳・スポーツクライミング連盟) 30+/29
16位:杉本 怜(27/マイナビ) 27+/31
17位:是永 敬一郎(23/埼玉県山岳連盟) 26+/31+
18位:亀山 凌平(22/名城大学) 25+/32+
19位:小西 桂(18/私立慶應義塾高等学校) 30+/25+
20位:日比野 良祐(20/愛知大学) 27/31
21位:土肥 圭太(18/神奈川県立平塚中等教育学校) 27+/30+
22位:天笠 颯太(18/神奈川県山岳連盟) 28/25
23位:大政 涼(16/愛媛県立東温高等学校) 26+/30+
24位:今泉 結太(18/私立翔洋学園高等学校) 25/31+
25位:古畑 和音(24/千葉県山岳連盟) 25+/31
25位:楢崎 明智(19/TEAM au) 25+/31
※左から氏名、年齢、所属先、第1ルート成績、第2ルート成績
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CREDITS
文 編集部 / 写真 森田直樹/アフロスポーツ