危なげなく予選首位通過した昨年の女王・野口啓代

野口啓代、野中生萌が首位通過。準決勝は半数以上が10代に/第14回ボルダリングジャパンカップ【女子予選】

 26日午前、第14回ボルダリングジャパンカップ(BJC)が駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場(東京都・世田谷区)で開幕した。先に行なわれた女子予選では、有力選手が続々と準決勝進出を決める一方、その半数以上は10代選手が占める形となった。

 Aグループトップは前回女王の野口啓代。「2カ月ぶりの大会で少し緊張した」と話したが、全5課題を7アテンプトでまとめ、連覇に向けて危なげないスタートを切った。2位には昨年躍進した16歳の平野夏海、4位には13歳の小池はなが入った。

 Bグループでは昨年のW杯年間女王・野中生萌が難関の第4課題こそ取りこぼしてしまったものの、4完登を決めて首位通過。2位に伊藤ふたば、3位に谷井菜月、4位に森秋彩が入り、野口と合わせ今年エントリーしている昨年のファイナリスト5名全員が準決勝へと駒を進めた。

 なお、例年若手の躍進が目立つBJCだが、今年も昨年を上回る13名の10代選手が準決勝へと駒を進めている。

 

野口啓代コメント
「2カ月ぶりの大会で少し緊張しました。BJCの真っ最中ですが、あくまでも今年は8月の世界選手権に3種目のピークを持ってくるということで、まだまだトレーニング期の中で大会に出ているという感覚です。それほど連覇については気にしていないんですけど、ただ出る大会はすべて優勝を狙っているので、今回も自分の一番良いパフォーマンスができたらいいなと思っています。明日の準決勝、決勝ではしっかりとコンペモードに戻したいと思います」

 

野中生萌コメント
「久しぶりの大会で緊張しました。でも楽しかったです。いつものBJCに比べて、大きい動きが多く、距離がありました。(昨年負傷した)右肩は順調に回復中です。BJCのタイトルは今まで取ったことがないですし、ここで勝つということは、世界選手権も日本でやるし、五輪も日本でやるので、国内での大会に慣れるという意味でも重要なことだと思っています」

 

伊藤ふたばコメント
「久しぶりの大会で少し緊張しているところもあったんですけど、登れるところはしっかり登れたのでよかったです。昨年W杯に出てフィジカル面がまだまだ足りていないと感じたので、オフは筋トレなどを行ってきました。苦手な動きを筋肉でカバーして登るということが出きてきています。(明日に向けては)楽しみたいです」

森秋彩コメント
「(予選を振り返って)去年よりも難しく感じました。コーディネーションや距離のあるものが多くて自分には不利でしたが、そのための練習をしてきたので対応することができました。今年は今までの軽さを活かす登りから、パワーでねじ伏せられるように食事の量を増やしたりトレーニングをしてきました。明日も1課題1課題集中して頑張りたいです」

谷井菜月コメント
「3課題目が登れなくて少し焦ってしまったんですけど、4課題目を登れて安心しました。16歳になってW杯に出れるかというのがかかっている大会なので頑張りたいなと思って、どんな課題にも対応できるよう練習してきました。目標は表彰台に乗ることです。(去年の世界ユース、アジアユースでの優勝について)それほど緊張することなく登れたのが良かったと思います。今日は4課題目を登れたことで緊張が取れました。緊張具合はユースのでもシニアでも変わらないですが、シニアの方が距離感が遠くて、課題自体も難しいと思います」

 

<女子準決勝進出者>

Aグループ
1位:野口 啓代(29/TEAM au)/5t5z 7 7
2位:平野 夏海(16/私立国士舘高等学校)/5t5z 8 7
3位:小武 芽生(21/エスエスケイフーズ)/5t5z 9 8
4位:小池 はな(13/埼玉県山岳連盟)/4t5z 6 5
5位:菊地 咲希(16/東京都立世田谷総合高等学校)/4t5z 8 9
6位:中村 真緒(18/青山学院大学)/4t5z 9 8
7位:廣重 幸紀(23/福井県山岳連盟)/3t5z 3 6
8位:渡辺 沙亜里(28/無所属)/3t5z 6 13
9位:大河内 芹香(20/長崎県山岳連盟)/3t5z 10 12
10位:金子 桃華(19/Base Camp)/3t4z 7 7

Bグループ
1位:野中 生萌(21/XFLAG)/4t5z 5 5
2位:伊藤 ふたば(16/TEAM au)/4t5z 7 7
3位:谷井 菜月(15/橿原市立光陽中学校)/4t5z 8 12
4位:森 秋彩(15/つくば市立手代木中学校)/4t5z 8 13
5位:工藤 花(15/山形市立第四中学校)/4t5z 9 5
6位:小倉 紗奈(14/奈良県山岳連盟)/3t5z 7 14
7位:倉 菜々子(18/私立安城学園高等学校)/3t5z 7 18
8位:小島 果琳(17/私立岐阜聖徳学園高等学校)/3t4z 13 22
9位:大田 理裟(26/山口県山岳・スポーツクライミング連盟)/3t3z 4 4
10位:菅原 亜弥(16/神奈川県山岳連盟)/2t5z 5 16

※左から氏名、年齢、所属先、成績
※成績は左から完登数、ゾーン獲得数、完登に要した合計アテンプト数、ゾーン獲得に要した合計アテンプト数

CREDITS

取材・文 編集部・篠幸彦 / 写真 大杉和広

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