緒方良行がボルダリングで金/チャイナオープン2018

 16~18日、中国・広州にてチャイナオープン2018が開催された。多くの選手にとって今シーズン最終戦となった大会で、緒方良行がボルダリングで初優勝。清水裕登もリードで、倉菜々子もボルダリングで3位に入り、日本勢が3つのメダルを獲得した。

 昨年立ち上がったチャイナオープンは、IFSC公認の国際大会として実施され、今大会でもW杯をも凌ぐ賞金が用意された。出場選手も豪華で、W杯年間ランキング上位選手たちが続々とエントリーした。

 そんな中、ボルダリング男子で緒方良行が栄冠を手にする。決勝は第3課題を終えて2完登3ゾーンに4名が並ぶ混戦となり、ゾーン獲得に要したわずかなアテンプト数の差で首位に立っていた緒方。最終課題を完登して後続にプレッシャーを掛けたいところだったが、ゾーン止まりで終えてしまい、今季W杯年間王者イェルネイ・クルーダー(スロベニア)、アレクセイ・ルブツォフ(ロシア)、チョン・ジョンウォン(韓国)といった強豪たちが完登すると2位以下に甘んじてしまう状況に。しかし、いずれもゾーン獲得にとどまったことで、準決勝6位からの逆転優勝が確定した。同じく決勝に進んでいた日本の藤脇祐二は第2課題を唯一完登するなど見せ場を作ったが5位に終わった。

 清水、藤井快、樋口純裕、本間大晴の4名が決勝に進んだリード男子は、スロベニアのドメン・スコフィッチが唯一の完登で文句なしの優勝。清水は藤井を1手上回って3位に入り、シニアの国際大会初のメダルを獲得した。スピードでは、2015年のW杯年間王者であるツォン・キシンが地元優勝を決め、日本勢最高は予選で自己ベスト6秒71に迫る6秒86を出した緒方の17位だった。

 一方の女子では、ジェシカ・ピルツ(オーストリア)が圧倒的な強さを誇るヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)をボルダリング、リードいずれも2位に封じ込めて2冠を達成した。ボルダリングは2完登4ゾーンでフィニッシュし、第1、4課題でゾーン獲得もままならずに2完登2ゾーンで終わった世界女王を上回ると、リード決勝ではガンブレットが最高高度を更新する46をマークした直後に最終競技者として登場し、見事にTOPまで到達して有終の美を飾った。今季世界選手権で優勝するなど、これまでリードを得意としてきたピルツだが、ボルダリングでも実力を伸ばしているようだ。日本勢では、ボルダリングで倉がゾーン獲得数の差で3位に立って先日のアジア選手権に続く表彰台。リードでは決勝に進んだ伊藤ふたばが7位、小武芽生が8位に終わった。

 女子スピードの決勝では、アレクサンドラ・ルジンスカ(ポーランド)が世界選手権優勝の威厳を保ち金メダルを獲得。日本から唯一出場した倉は予選を勝ち抜いて決勝トーナメントに進出したが16位に終わっている。

 これでほとんどの選手が今シーズンの日程を終了。日本勢は約2ヵ月間のオフシーズンを過ごし、1月下旬に開催予定のボルダリングジャパンカップに臨む。

 

<ボルダリング決勝>

男子
1位:緒方 良行(20)/2t4z 5 11
2位:アレクセイ・ルブツォフ(30/ロシア)/2t4z 5 14
3位:イェルネイ・クルーダー(27/スロベニア)/2t4z 6 8
4位:チョン・ジョンウォン(22/韓国)/2t4z 7 13
5位:藤脇 祐二(23)/2t3z 3 7
6位:パン・ユーフェイ(18/中国)/0t1z 0 5
―――――
7位:藤井 快(25)※準決勝進出
9位:土肥 圭太(18)※準決勝進出
13位:樋口 純裕(26)※準決勝進出
15位:高田 知尭(23)※準決勝進出

女子
1位:ジェシカ・ピルツ(21/オーストリア)/2t4z 4 7
2位:ヤンヤ・ガンブレット(19/スロベニア)/2t2z 3 2
3位:倉 菜々子(18)/0t3z 0 11
4位:サ・ソル(24/韓国)/0t3z 0 14
5位:ミナ・マルコヴィッチ(30/スロベニア)/0t2z 0 3
6位:エカテリーナ・キプリーアノワ(29/ロシア)/0t0z 0 0
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10位:伊藤 ふたば(16)※準決勝進出

※左から氏名、年齢、所属国、決勝成績
※決勝成績は左から完登数、ゾーン獲得数、完登に要した合計アテンプト数、ゾーン獲得に要した合計アテンプト数

<リード決勝>

男子
1位:ドメン・スコフィッチ(24/スロベニア)/TOP
2位:ミン・ヒョンビン(29/韓国)/44
3位:清水 裕登(22)/37
4位:藤井 快(25)/36
5位:樋口 純裕(26)/35+ ※準決勝3位
6位:ショーン・ベイリー(22/米国)/35+ ※準決勝5位
7位:サッシャ・レーマン(20/スイス)/35+ ※準決勝8位
8位:本間 大晴(19)/31
―――――
10位:緒方 良行(20)※準決勝進出
11位:高田 知尭(23)※準決勝進出

女子
1位:ジェシカ・ピルツ(21/オーストリア)/TOP
2位:ヤンヤ・ガンブレット(19/スロベニア)/46
3位:ミナ・マルコヴィッチ(30/スロベニア)/45+
4位:キム・ジャイン(30/韓国)/43+
5位:ヴィータ・ルーカン(18/スロベニア)/37
6位:マチルド・ベセーラ(27/フランス)/35+
7位:伊藤 ふたば(16)/33+
8位:小武 芽生(21)/25+

※左から氏名、年齢、所属国、決勝成績

<スピード決勝>

男子
1位:ツォン・キシン(29/中国)/5秒890
2位:アスパル・ジャエロロ(26/インドネシア)/5秒990
3位:ドミトリー・チモフェーエフ(25/ロシア)/5秒860
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17位:緒方 良行(20)/6秒860
20位:土肥 圭太(18)/7秒660
24位:樋口 純裕(26)/8秒570

女子
1位:アレクサンドラ・ルジンスカ(24/ポーランド)/7秒690
2位:マリア・クラサヴィナ(28/ロシア)/8秒710
3位:ユリア・カプリナ(25/ロシア)/7秒490
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16位:倉 菜々子(18)/10秒820

※左から氏名、年齢、所属国、成績
※1・2位選手の成績は決勝タイム、3位選手の成績は3位決定戦タイム
※日本人選手の成績は今大会の最高記録

リザルト詳細は国際スポーツクライミング連盟/大会ページから

CREDITS

編集部

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