約1ヶ月ぶりに日本へ帰国した野中生萌(左)と世界選手権でボルダリング王者となった原田海

原田海「優勝すると思っていなかった」。海外遠征を終え、日本代表が帰国

 2日、オーストリア・インスブルックで開催された世界選手権、スロベニア・クラーニでのリードW杯などを終え、野中生萌、原田海らが羽田空港に到着し取材に応じた。ボルダリング世界王者となった原田は「本当に驚いている」と話し、1ヶ月前に味わった世界ユース選手権での悔しさを優勝の要因に挙げた。

 

【原田海コメント】
― 優勝おめでとうございます。
「優勝すると思っていなかったので、本当に驚いています」

― 世界ユース選手権(優勝目前にして3位)の悔しさはあった?そこからの切り替えは?
「悔しさはかなりありました。世界ユース(ボルダリング)のときは最終課題まで1位で、ほぼ優勝が見えていたので、気が抜けてしまったというか。勢いに任せて、あまり冷静さがなかった。敗因はほぼメンタルだったので、そこを修正していければもっと成績を残せるんじゃないかなと思い気持ちを切り替えました。世界選手権はいつも通りに、冷静に挑もうと思いました。世界選手権でも1位のまま最終課題を迎えたんですけど、あの3位があったからこそ優勝が懸かった場面でも集中できたというか。あの経験がなかったら、今回の優勝はなかったと思っています」

― 2020年に向けては?
「世界選手権では、ボルダリングの金メダルよりもコンバインドの予選を1位通過できたことの方が大きかったですね。僕はスピードが圧倒的に遅いので、練習量を増やしていきたいと思っています。ただ、『五輪に向けて』という意識はあまりない。3種目の練習をしているのも単純に楽しいから。3種目に取り組んでいる理由はそれが一番ですね。目の前の大会でしっかり成績を残していけば、結果的にオリンピックに出られるようになると思っています」

 

【野中生萌コメント】
― 世界選手権を終えて。
「収穫もありましたが、肩の負傷などもあってあまりいい結果ではなかったです。コンバインドでは3種目それぞれが重要だと改めて再確認しました。来季にかけては肩のケアももちろんですが、質も量も上げてもっと練習を積んでいきたいと思います」

― コンバインドではスピードでのスタートミスが響いてしまいました。
「まずは場の雰囲気に慣れることだと思います。1秒以内で決着がつくので、(スタートは)ギリギリを攻めていけるようになれたら」

― 今の自己ベスト(9秒06)から伸びる感覚はある?
「まだまだあります。8秒台は確実に頻繁に出せるようになると思います。練習量を増やすのみです。特にスタートから数えて3手目を取りに行くときに遅くなってしまうケースが多いので、そこを改善できればよりスピードも上がってくると思います」

― 今季残りの目標は。
「今週末の国体(福井県)や、11月のアジア選手権(鳥取県)などに出る予定です、出場する大会ではすべて優勝を狙っていきたいです」

 

【樋口純裕コメント】
― リードW杯(クラーニ大会)で3位入賞となりました。
「W杯では初めての表彰台で嬉しいんですが、1、2位との差は大きいと感じたので素直に喜べないのも正直なところです」

― 表彰式では笑顔も印象的でした。表彰台に立ちたいという思いはずっと抱えていた?
「そうですね。W杯に出続けて10年くらいになるんですけど、若い子たちが何度か表彰台だったり優勝も経験していく中で、自分は全く結果を残せていなかったので焦りもありました。正直これ以上の成績は難しいなと思っていたところだったので、不安が一気に晴れたような気がして、表情にも出てしまったんだと思います」

― 表彰台に立てた要因は?
「僕の弱点であるダイナミックなムーブの練習を重ねてきたこと、今年のブリアンソン大会で改めて感じた持久力の大切さ、そして何より保持力がルートを登るうえではボルダーのそれよりも重要なんじゃないかと考えついて、保持力を少しづつ上げていくトレーニングを始めました。それらが上手く繋がったのかなと思いますね」

― 女子6位に入った16歳・平野夏海選手は教え子だと伺っています。
「勤務している『PUMP2 川崎』のスクールで教えている生徒の1人です。僕自身メダルが獲れて嬉しかったんですけど、まだ16歳なのに決勝の舞台まで上がってこれたことは凄く評価できる。自分が成績を挙げられたこと以上に嬉しかったです」

― 樋口選手の今後の目標は?
「26歳で決して若い方ではないんですけど、ここからでも表彰台の真ん中を狙っていけると思っています。まずはリードW杯での優勝を目標にしていきながら、2020年も視野に入れて頑張っていこうと思っています」

CREDITS

取材・文・写真 編集部

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