開幕戦で楢崎智亜が3位に/リードW杯2018第1戦 ヴィラール大会
7月6・7日、スイス・ヴィラールにてリードW杯2018の第1戦が行われた。男子は同スコアの接戦を制したヤコブ・シューベルト(オーストリア)が優勝し、2位はロメイン・デグランジュ(フランス)、3位には楢崎智亜が入った。女子は野中生萌、小武芽生、野口啓代の日本勢3名が決勝に進出するも、ヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)が開幕戦から2年連続年間女王の実力をいかんなく発揮し優勝、2位にジェシカ・ピルツ(オーストリア)、3位はキム・ジャイン(韓国)となり日本女子のメダル獲得はならなかった。
男子は昨年年間3位の是永敬一郎が膝の負傷で長期離脱を余儀なくされるなか、日本勢からは楢崎と波田悠貴が準決勝を通過した。決勝は先頭のステファノ・ギソルフィ(イタリア)が33+に到達すると、2番手の楢崎も同高度を記録。好スコアで2人が並ぶもそれを凌いだのは昨年年間優勝のデグランジュだ。2人がフォールしたピラミッド型ホールドが4つ続く難所を登りきると、TOPホールド手前のスローパーに右手を伸ばし38+で落下。大きく高度を伸ばした。7番手のシューベルトはそのデグランジュが落ちたスローパーに大胆なランジでチャレンジ。しかし、止めきれず同スコアで並び、準決勝へのカウントバックでシューベルトが首位に立った。最後のマックス・ルディジェ(オーストリア)が32+で終えたため、楢崎が3位でフィニッシュ。波田は8位に入っている。
2014年金浦大会以来、4年ぶりに日本女子3名が名を連ねた女子決勝は、先頭の白石阿島(アメリカ)が31+で終えると、2番手のマノン・イリ(フランス)がそれを上回る36+を記録。3番手の野口は36まで迫ったが、足の置き場がうまくはまらず35+で力尽きた。レベルの違いを示したのは昨年総合2位のキム。中盤で腕に足を掛けるフィギュア4を披露するなど見せ場を作り、41+と大幅に高度を伸ばした。続くピルツはさらに余力を持って42に達するが左足を滑らせて悔しいフォールとなった。そしてやはり強かったのがガンブレットだ。TOPホールドに手を伸ばす44+という圧倒的な高度で開幕戦を制し、3年連続の年間女王へ向け好スタートを切った。
同時開催のスピードW杯第4戦では、男子はアレクサンダー・シコフ(ロシア)が今季初優勝し、女子はアヌーク・ジョベール(フランス)が早くも3勝目を挙げた。日本勢は男子5人、女子4人がエントリーしたが、男子は緒方良行の30位、女子は野中の23位が最高位で、男女ともに予選通過はならなかった。
日本勢は初戦から楢崎が表彰台に上がり、初のファイナルとなった野中と小武を含む3名が4年ぶりに決勝に進出するなどポジティブな結果だったリードW杯開幕戦。第2戦は今週12・13日にフランス・シャモニーで開催される。
<リード男子決勝>
1位:ヤコブ・シューベルト(27/オーストリア)/38+(準決勝2位)
2位:ロメイン・デグランジュ(35/フランス)/38+(準決勝4位)
3位:楢崎 智亜(22)/33+(準決勝7位)
4位:ステファノ・ギソルフィ(25/イアリア)/33+(準決勝8位)
5位:マックス・ルディジェ(24/オーストリア)/32+
6位:ミン・ヒョンビン(29/韓国)/22+(準決勝3位)
7位:ドメン・スコフィッチ(24/スロベニア)/22+(準決勝5位)
8位:波田 悠貴(21)/22+(準決勝6位)
―――――
10位:藤井 快(25)※準決勝進出
12位:田中 修太(18)※準決勝進出
14位:中野 稔(34)※準決勝進出
16位:本間 大晴(18)※準決勝進出
19位:緒方 良行(20)※準決勝進出
29位:原田 海(19)
31位:西田 秀聖(15)
70位:土肥 圭太(17)
<リード女子決勝>
1位:ヤンヤ・ガンブレット(19/スロベニア)/44+
2位:ジェシカ・ピルツ(21/オーストリア)/42
3位:キム・ジャイン(29/韓国)/41+
4位:マノン・イリ(24/フランス)/36+
5位:野口 啓代(29)/35+
6位:野中 生萌(21)/32+
7位:小武 芽生(21)/31+(準決勝5位)
8位:白石 阿島(17/米国)/31+(準決勝8位)
―――――
13位:尾上 彩(22)※準決勝進出
18位:伊藤 ふたば(16)※準決勝進出
22位:廣重 幸紀(22)※準決勝進出
51位:三浦 絵里菜(22)
※左から氏名、年齢(大会初日時点)、所属国、決勝成績
<スピード男子決勝>
1位:アレクサンダー・シコフ(21/ロシア)/6秒67
2位:アレクサンダー・シロフ(24/ロシア)/6秒79
3位:ダニル・ボルドィレフ(26/ウクライナ)/6秒00
―――――
30位:緒方 良行(20)/7秒51
31位:原田 海(19)/7秒58
64位:藤井 快(25)/fall
64位:楢崎 智亜(21)/false start
64位:田中 修太(18)/false start
<スピード女子決勝>
1位:アヌーク・ジョベール(24/フランス)/7秒98
2位:ヴィクトワール・アンドリエ(22/フランス)/8秒21
3位:マリア・クラサヴィナ(27/ロシア)/相手失格
―――――
23位:野中 生萌(21)/9秒84
34位:伊藤 ふたば(16)/11秒18
39位:野口 啓代(29)/12秒15
47位:小武 芽生(21)/14秒52
※左から氏名、年齢(大会初日時点)、所属国、成績
※1・2位選手の成績は決勝タイム、3位選手の成績は3位決定戦タイム
※日本人選手の成績は今大会の最高記録
リザルト詳細は国際スポーツクライミング連盟/大会ページから
CREDITS
文 篠幸彦 / 写真 窪田美和子/アフロ