藤井快が二冠達成。野口啓代は貫禄の金/アジア選手権2017【リード男子・ボルダリング女子】
IFSCクライミングアジア選手権2017(イラン・テヘラン)最終日となった9月21日、ボルダリング女子とリード男子の決勝が行われ、女子は野口啓代と尾上彩がワンツーフィニッシュ。男子では藤井快がボルダリングとの二冠を達成し、緒方が3位に入った。
ボルダリング女子決勝には日本勢から野口と尾上が進出。第1課題は完登者が出ず、ボーナスを獲得したのは地元イランのラヒーム・ラメザニのみ。同じく完登者不在の状況が続いた第2課題では最後を登る野口が一撃でクリアする。これで良い流れを作ると、第3課題も野口のみが完登。ほとんどの選手がボーナスも掴むことができないという厳しい課題が続いたなかで、この時点で2完登の野口は早くも優勝を決めて最終課題へ。前日のリードでバースデー優勝を果たしていた尾上はここまでボーナス1つのみ。最終課題は前を登る2人が完登し、6アテンプト以内で完登できなければ表彰台には立てないという状況だったが見事に2トライ目で完登。アテンプト差で2位が確定した。野口もウイニングクライムを2アテンプトで決め、後続に2完登の差を付けた貫禄の優勝となった。
ボルダリング女子表彰台=左から尾上、野口、プンタリカ・トウンヤヴァニッチ。
リード男子準決勝では5人が38~39地点に並ぶという団子レースを切り抜けた藤井が39+で3位、緒方は41の2位でファイナリスト入り。迎えた決勝では暫定1位が34+地点のなか、6番手で登場した藤井が43+と大幅な高度更新に成功する。続いて7番手を登る緒方は藤井の記録にどこまで迫れるか注目となったが、34地点で力尽きフォールとなった。最後に登る準決勝唯一の完登者、中国のパン・ユーフェイが27+に留まったことで藤井の優勝が確定した。
男女5個づつ、計10個のメダルを獲得した日本代表。特に2冠を達成した藤井、リード銀、ボルダー金の野口の存在感が際立っていた今大会。また、国際大会シニアクラス初優勝の尾上も自信を手にしたはずだ。一方で、スピードでは男女ともに全員が予選敗退。改めて「スピード強化」という課題が浮き彫りとなった。
<ボルダリング女子・決勝>
1位 野口 啓代(28)/3t7 3b7
2位 尾上 彩(22)/1t2 2b4
3位 プンタリカ・トウンヤヴァニッチ(27/タイ)/1t6 1b4
4位 ラヒル・ラメザニ(16/イラン)/1t7 2b12
5位 ジャン・ロン(22/中国)/0t 2b7
6位 ラム・レンチン(26/中国)/0t 2b8
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7位 小武 芽生(20)※準決勝進出
<リード男子・決勝>
1位 藤井 快(24)/43+
2位 チュー・ハイビン(25/中国)/34+
3位 緒方 良行(19)/34
4位 マー・ジダ(25/中国)/30
5位 コスロ・ハシェムザデ(26/イラン)/30+
6位 パン・ユーフェイ(17/中国)/27+
7位 アフマドレザ・ソルギ(24/インド)/24+
8位 カ・チュン・ヤー(24/香港)/0.5
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21位 渡部 桂太(24)※準決勝進出
26位 楢崎 智亜(21)※準決勝進出
<スピード女子・決勝>
1位 プジ・レスタリ(27/インドネシア)/8秒21
2位 ソン・イーリン(16/中国)/8秒31
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22位 野口 啓代(28)/15秒32
23位 小武 芽生(20)/15秒71
24位 尾上 彩(22)/19秒34
<スピード男子・決勝>
1位 レザー・アリプアシェナ(23/イラン)/5秒62
2位 ツォン・キシン(28/中国)/5秒85
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19位 楢崎 智亜(21)/8秒22
23位 緒方 良行(19)/8秒88
28位 藤井 快(24)/11秒88
29位 渡部 桂太(24)/12秒27
※1・2位選手のタイムは決勝記録
※日本人選手のタイムは予選記録
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CREDITS
文 篠幸彦 / 写真 (公社)日本山岳・スポーツクライミング協会