女子は野口啓代が6度目、男子は中野稔が史上最年長で優勝/日本選手権リード競技大会2017

 5日、埼玉県の加須市民体育館でスポーツクライミング日本選手権リード競技大会2017決勝が行われた。

 リードは、1度落ちても再トライ可能なボルダリングとは違い一発勝負。長い課題を読み解くためのオブザベーション力や持久力、レストのタイミングなど多くの要素も求められる。

 今大会はリード日本代表唯一の選考大会も兼ねており、昨季は日本選手権とジャパンカップの2大会で決めていたが、前もった選出で7月開幕予定のリードW杯に入念な準備ができるよう一本化した。また、国内主要大会として初めて海外からルートセッターを招聘(リード強豪国のスロベニアから2名)。よりダイナミックな動きが求められ、国際大会さながらの厳しい課題に、女子の準決勝、決勝は男女ともに完登者が現れない結果に。

 そんな中で安定して実力を発揮したのが日本選手権6度目の優勝となった野口。「BJCで狙った1位が取れず、W杯前最後の大会で優勝したかったので素直にうれしい。ただし完登できなかった悔しさもあります」と2つの感情を口に。完登まであと一手のところで3選手が並び、カウントバックでの優勝だった。2位には昨年と同じく実力者・大田が入り、注目された2人の中学生、森秋彩が3位、BJC優勝の伊藤ふたばが4位だった。

 男子では予選から準決勝までの3ルートを全て完登した中野、是永、緒方の3名と、ハイテンポかつハイレベルな登りを見せるボルダリング世界王者・楢崎智亜による優勝争いが予想された。決勝では、最終競技者を残した時点で楢崎がトップ。しかし中野が残り30秒を切ったところで楢崎の高度に並ぶと、最後は魂の一手で逆転。完登までは及ばなかったが、史上最年長・33歳での優勝を手にした。

 「主要大会でも初優勝なのでうれしい。一度休んで時間を使ったことでペースを戻すことができ、絶対に諦めない強い気持ちが最後の一手に繋がりました」と語った中野。若手の台頭が著しいが、最後に勝ったのはベテランの「勝利への執念」だった。

【リザルト】
■女子
1位 野口 啓代 (27) 32+ ※準決勝1位
2位 大田 理裟 (24) 32+ ※準決勝2位
3位 森 秋彩 (13) 32+ ※準決勝3位
4位 伊藤 ふたば (14) 29+
5位 田嶋 あいか (18) 28+
6位 小林 由佳 (29) 26+
7位 小武 芽生 (19) 26
8位 義村 萌 (19) 20+
■男子
1位 中野 稔 (33) 33+
2位 楢﨑 智亜 (20) 32+
3位 波田 悠貴 (19) 29+
4位 緒方 良行 (19) 26+
5位 沼尻 拓磨 (24) 25
6位 是永 敬一郎 (21) 23+
7位 清水 裕登 (21) 23+
8位 島谷 尚季 (20) 18

リザルト詳細はコチラから
http://www.climbing.jma-sangaku.or.jp/temp_results/lch/2017/

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