FEATURE 46

登る前に最適!

緒方コーチ直伝 超効果的ウォーミングアップ


クライミングで重要な肩甲骨、胸椎、股関節まわりに運動前の“合図”を送るウォーミングアップのやり方を緒方氏が教えてくれました。パフォーマンス向上のため、怪我予防のため、さっそくトライしてみよう!

※本記事の内容は2018年12月発行『CLIMBERS #010』掲載当時のものです。
 
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~Lesson 1:ワールズ・グレイテスト・ストレッチ~
肩甲骨、胸椎、股関節をまとめてウォーミングアップ

 

 

 
直立の体勢から、前方に片膝を出して肘は膝の内側に入れ、逆足は後方にしっかり伸ばす。頭からかかとまで一直線を意識することで、股関節の可動域が出る。

 

 
その状態のまま、曲げていた腕を上へ。下の手で地面を押し、伸ばした指先から支える腕までまっすぐにする。しっかり腕を伸ばすことで胸椎の回旋が生まれ、肩甲骨まわりや肩の筋肉も刺激される。

 

 
続いて手を立膝の外側に戻し、前足の前腿に力を入れながら膝を伸ばしてハムストリングをストレッチ。直立に戻って終了。動きはゆったり、各ポジションで1~2秒制止して左右3~5回ずつ。

 

~Lesson 2:ショルダーホバー~
コントロールできる肩関節の可動域を高める

 

 
うつ伏せでつま先を立て両手を後頭部に。次に腕を正面に伸ばし、そこから弧を描くように、途中で手のひらを反しつつ、お尻の上に持っていく。逆の動きではじめの体勢に戻る。
 

 

 

 

 
ポイントはできるだけ体から指先を離して上の方を回すこと。手が震えるくらい上げて、動きはゆっくり大きく。6~10回、1~2セット。

 

~Lesson 3:ゲットアップ~
手を伸ばす動きの土台を整える

 

 
肩甲骨まわりや肩関節の安定性を高める運動。少し開脚して座り、片膝を立て肘を置く。逆側の手は少し後方に。
 

 

 
背骨の軸をまっすぐキープしながら立膝側の足で床を押し、グーにした腕をできるだけ高く上げる。動き出しの際はお尻の筋肉を使うようにし、体を支えている手でしっかりと床を押すことを意識。結果的に肩甲骨まわりの筋肉が働く。最後の体勢で1~2秒静止して5~8回繰り返す。

CREDITS

取材・文 編集部 / 写真 大杉和広 / 撮影協力 国立スポーツ科学センター

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PROFILE

緒方博紀 (おがた・ひろき)

国立スポーツ科学センター トレーニング指導員。VリーグのNEC Red Rocketsトレーニングコーチ、JT Marvelousストレングス&コンディショニングコーチを経て、現在はJISSでアスリートの指導に携わる。全米ストレングス&コンディショニング協会公認資格CSCS(ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)、NSCA–CPT(パーソナルトレーナー)等を取得。

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