climbers
ボルダリングでW杯日本人初優勝、年間優勝4回、ジャパンカップ9連覇などの記録を持つ、日本女子クライミング界のパイオニア。
クライミングと出会ったのは小学5年生の夏、家族旅行で訪れたグアムのゲームセンターにあったクライミングウォールだった。帰国後ジム通いを始めると、そこから1年で全日本ユース選手権を制覇。父親が作った自宅のプライベートウォールでも練習を重ね、16歳の2005年7月には初のシニア国際大会となった世界選手権のリードで3位に入賞し、同大会では日本人最年少、アジア人女子初となるメダルを手にした。2カ月後の第1回ボルダリングジャパンカップで初代女王に輝くと、そこから2014年まで9大会を連覇。リードの日本選手権でも優勝を繰り返した。
どんなに小さなホールドでも掴んだら離さない圧倒的な保持力を武器に、国際大会でも表彰台に上がり続け、W杯優勝回数は歴代2位の21を数える。中でも同最多記録(22)を保持する最大のライバルであり、親友でもある1歳上のアンナ・シュテール(オーストリア)とは2008年から数年間、熾烈な年間優勝争いを繰り広げ、野口は2009、2010、2014、2015年と女王の座に就いた。
シニア国際大会出場が可能になる16歳から15年以上も第一線で活躍し続けるのは男子を含めても異例で、世界中のクライマーから尊敬を集める。その強さの秘訣は「大会に何回出ても、何回優勝しても、どうしても登れない課題はあるし、常に勝てるわけではない。満足することがなかったというのが一番大きかった」という向上心にある。
長年日本代表を牽引し、メディア出演などを通してスポーツクライミングの普及にも貢献してきた32歳は、自国開催の東京五輪での初採用が決まってから、競技人生最後の舞台として出場を目指してきた。苦手としていたスピード種目でもタイムを上げ、2019年の世界選手権コンバインド(3種目複合)では準優勝、日本人1位の成績で五輪代表に内定した。迎えた本番では3位で銅メダルを獲得し、世界中から惜しまれつつも競技から引退した。
生年月日 | 1989/05/30 |
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性別 | 女 |
身長 | 167cm |
所属 | TEAM au |
出身 | 茨城県 |
得意種目 | ボルダリング |
得意課題 / 得意ムーブ | 保持系 |
クライミングを始めた年齢 | 11歳 |
クライミングを始めたきっかけ | 家族で行ったグアムでのゲームセンターで体験して |
クライミングの魅力 | 対人スポーツではないところ。いろんな人に教えてもらえるし、みんなで同じ課題に打ち込めるけれど、結局は自分自身との戦い。ちょっとした変化や工夫で大きく変わるので、クライマー同士、アスリート同士で、苦楽を共有できることは一つの魅力 |
モットー、座右の銘、好きな言葉 | 自分らしく生きる |
主な戦績 | ・09、10、14、15年W杯ボルダリング年間優勝 ・ボルダリングジャパンカップ優勝11回(含む9連覇) ・05、06、07、19年リードジャパンカップ優勝 ・08、10、11、12、16、17年日本選手権リード競技大会優勝(前身大会含む) ・21年スピードジャパンカップ優勝 ・18年、21年コンバインドジャパンカップ優勝 ・東京五輪 銅メダル |
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CREDITS
文 編集部 / 写真 窪田亮