男子出場選手の中で最速を誇るバッサ・マウェム(フランス)

【東京五輪】スポーツクライミングの勢力図[男子スピード編]

 東京2020オリンピックの追加競技として五輪で初実施されるスポーツクライミングは、スピード、ボルダリング、リードの3種目を1人の選手がこなし、各順位をかけ算した値の小ささを競う「複合」でメダルを争う。

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 本記事では、第1種目として行われるスピードの男子勢力図を、2018年以降のIFSC(国際スポーツクライミング連盟)主催・主管大会で各選手が計測したベストタイムを用いて紹介する(日本人選手は国内大会での公式記録も含む)。ぜひ8月3日からの観戦に役立ててほしい。

 以下の序列は、五輪出場選手を自己ベスト順で並べたものだ。スピードでは踏み外しなどのミスも多く、特に対人戦のトーナメント方式になる決勝ではメンタルも重要になり、自己ベストで上回る選手が勝利するとは限らないため、直近シーズンの平均順位(2018年以降のW杯&世界選手権)も参考として併記した。

東京五輪出場選手:スピード自己ベスト&平均順位[男子]

【1】バッサ・マウェム(FRA)/5.44秒(5.3位)
【2】リシャト・ハイブリン(KAZ)/5.53秒(19.8位)
【3】楢崎 智亜(JPN)/5.72秒(36.5位)
【4】ルドヴィコ・フォッサリ(ITA)/5.783秒(16.3位)
【5】ミカエル・マウェム(FRA)/6.25秒(30.5位)
【6】アルベルト・ヒネス・ロペス(ESP)/6.28秒(49.8位)
【7】原田 海(JPN)/6.348秒(44.3位)
【8】ヤン・ホイヤー(GER)/6.456秒(35.2位)
【9】コリン・ダフィー(USA)/6.46秒(28.5位)
【10】ミカエル・ピッコルルアツ(ITA)/6.655秒(42.9位)
【11】パン・ユーフェイ(CHN)/6.725秒(40.2位)
【12】ナサニエル・コールマン(USA)/6.728秒(43.2位)
【13】チョン・ジョンウォン(KOR)/6.807秒(51.9位)
【14】クリストファー・コッサー(RSA)/6.83秒(56.5位)
【15】ショーン・マッコール(CAN)/6.997秒(48.8位)
【16】ヤコブ・シューベルト(AUT)/7.002秒(49.6位)
【17】トム・オーホールラン(AUS)/7.12秒(-位)
【18】アレクセイ・ルブツォフ(ROC)/7.276秒(54.2位)
【19】アダム・オンドラ(CZE)/7.464秒(63.0位)
【20】アレクサンダー・メゴス(GER)/7.57秒(69.1位)

※左から氏名、国名・所属、自己ベスト(2018年以降)、平均順位(2018年以降のW杯&世界選手権)
※W杯&世界選手権のスピード単種目では予選上位16名がトーナメント方式による決勝に進出する
※トム・オーホールランは2018年以降のW杯&世界選手権の出場実績なし

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 最速はスピード専門選手の36歳、バッサ・マウェム(フランス)で、今年6月の欧州コンチネンタルカップで5.44秒を計測した。3番目に位置したのが、ボルダリングを本職としながらも今年3月の第3回スピードジャパンカップで優勝、5.72秒を叩き出した日本の楢崎智亜だ。平均順位は過去にフライングを複数回犯したことなどが響き36.5位にとどまっているが、上位進出の可能性は高い。

 5秒台をマークしている4人を除くと、半数以上が6秒台で、実力は拮抗している。しかし、本番に向けてタイムを伸ばしている選手は少なくないはず。5秒台後半から中盤にさしかかるタイムを残すことができた選手が、いい順位で第2種目のボルダリングに臨めそうだ。

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CREDITS

編集部 / 写真 窪田亮

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