女子表彰台=(左から)ナタリア・グロスマン、ラウラ・ロゴラ、アレクサンドラ・タコバ

五輪代表・ロゴラが決勝唯一の完登を記録。男子はベイリーが2連勝/リードW杯2021第3戦 シャモニー大会

 クライミングW杯2021のリード第3戦決勝が現地時間13日(日本時間14日)、フランス・シャモニーで行われ、女子は唯一の完登を記録した20歳の東京五輪代表、ラウラ・ロゴラ(イタリア)が今季初優勝。男子はショーン・ベイリー(米国)が2連勝を遂げた。日本勢では女子の谷井菜月が決勝に進み、5位入賞を果たした。

 今季2連勝中のヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)が五輪に向けた調整などのために欠場した女子は、準決勝で上位9名が完登する珍しい展開となった。17歳の谷井はファイナリスト8名に名を連ね、リードW杯におけるデビュー戦からの連続決勝進出記録を6大会に伸ばした。

 その谷井はホールド間の距離が遠い決勝ルートを頻繁にレストしながら登り、強傾斜パートで落下して高度32+とまずまずの内容で競技を終える。すると、続く3番手で登場したロゴラが圧巻のパフォーマンスを披露。見事な足使いと底知れぬ持久力で高負荷の上部も突破、結果的に決勝唯一となる完登をマークした。

ゴール目前に迫るラウラ・ロゴラ。

 五輪前最後の出場となったW杯を優勝で締めくくったロゴラは、2大会連続で決勝での完登を記録するなど、上り調子で五輪本番を迎えることになる。2位には2大会連続表彰台のナタリア・グロスマン(米国)、3位には初のメダル獲得となった16歳のアレクサンドラ・タコバ(ブルガリア)が入り、谷井は5位でフィニッシュした。

 一方の男子では、2ルートを両完登した吉田智音が予選を単独首位で通過するも、準決勝では26位と後退。同ラウンドでは樋口純裕が決勝進出ライン上の8位選手と同高度の成績を収めたが、予選順位で劣っていたため決勝進出ならず。ファイナルは日本勢不在で行われた。

 決勝ルートはムーブが読みづらく、また一手一手にストレスがかかる内容で、その間に体力を消耗してしまい全選手が終盤にたどり着くことなく力尽きた。優勝は高度34+のベイリーで、リードW杯初優勝の前回ヴィラール大会に続く優勝。2位はステファノ・ギソルフィ(イタリア)、3位はマーティン・ストラニク(チェコ)となり、ベテラン勢2人が表彰台の両脇を固めた。

決勝を登るショーン・ベイリー。

男子表彰台=(左から)ステファノ・ギソルフィ、ショーン・ベイリー、マーティン・ストラニク。

<決勝リザルト>

[女子]
1位:ラウラ・ロゴラ(ITA)/TOP
2位:ナタリア・グロスマン(USA)/41+
3位:アレクサンドラ・タコバ(BUL)/38+
4位:ヴィータ・ルーカン(SLO)/38+
5位:谷井 菜月(JPN)/32+
6位:ジュリア・シャヌルディ(FRA)/29+
7位:アシマ・シライシ(USA)/29+
8位:ディナーラ・ファクリディノーワ(RUS)/28+
――――――
11位:阿部 桃子(JPN)※準決勝進出
19位:中川 瑠(JPN)※準決勝進出

[男子]
1位:ショーン・ベイリー(USA)/34+
2位:ステファノ・ギソルフィ(ITA)/32
3位:マーティン・ストラニク(CZE)/32
4位:サッシャ・レーマン(SUI)/29
5位:ヴィクトル・バウドランド(CAN)/28+
6位:マルチェッロ・ボンバルディ(ITA)/26+
7位:ルカ・ポトカ(SLO)/25+
8位:ポール・ジョンフ(FRA)/25
――――――
9位:樋口 純裕(JPN)※準決勝進出
16位:天笠 颯太(JPN)※準決勝進出
26位:吉田 智音(JPN)※準決勝進出

※左から氏名、所属国、決勝成績(到達高度)
※同高度の場合は前ラウンドの成績を適用するカウントバックで順位を決定

国際スポーツクライミング連盟/大会特設ページ(リザルト詳細などはこちらから)

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