原田海「有言実行できて嬉しい」 ボルダリングジャパンカップ2020

 8・9日に行われた第15回ボルダリングジャパンカップ(BJC)。男子は2018年の世界選手権王者である原田海が、同2016・19年大会覇者である楢崎智亜や十代選手たちを上回り、国内公式戦の初優勝を決めた。以下、男子決勝を終えた選手たちのコメント一覧。

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優勝:原田海
「大会前から優勝を狙っていると言っていたので、有言実行できて嬉しい。1課題目でまだスイッチが入っていなかったので、『マズい』と思って2課題目に臨んだ。昨年のリードワールドカップで『登れば優勝』という局面で登れなかったことを思い出し、その経験があるから、ある程度冷静にいけば大丈夫だと思えた。ゴール取りが一番難しく、正直取れると思っていなかったが、指が引っかかってくれたという感じ。そこは技術というより気持ちだった。結果的に(第2課題を)一人完登できたことが一番大きかったと思う」


2位:楢崎智亜
「(また日本一が取れなかったが)BJCは相当モチベーションを燃やさないと難しい。周りの選手の気合いの入り方を感じていて、そんなに甘くないと思った。去年の決勝メンバーが僕だけだったのでびっくり。佐野くんのことも正直知らなかった。日本の上位は堅いと思っていたので刺激を受けた。海は一緒に練習していても去年より伸びているなと感じている。元々保持力が強いタイプだが、それだけじゃなくオールラウンダーになってきていて、勝負所でのミスもしなくなってきている。(自身については?)1課題目は全く難しく感じなかったので流れがいいと思ったが、準決勝でも2回ほどあった2課題目の“挟まる動き”を攻略することができなかった。去年はワールドカップでもムーブの読み違いはほとんどなかったが、今大会は予選から結構苦労した。もしムーブの読みに難しさの度合いが振られたときは危ないと思ったので、もっと色んな課題を触っていかないといけない」


3位:井上祐二
「決勝は目指していた舞台だったので、素直に嬉しかった。結果的に3位になれたが、全然順位は気にしていなかったので自分でも驚いている。(ワールドカップに向けて目標は)これでボルダリングワールドカップは全戦出場できると思うので、年間ランキング10位以内に入って(翌年もワールドカップに出場できる)IFSC枠を狙っていきたい。(プロジェクションマッピングで表示された『翠、愛してる!』というメッセージについて)最初は違うメッセージを書いていたが、周りから『それにしとこうや』という感じで言われて…。まぁ、間違っていないんでそれでいいかと(笑)。(決勝後、奥様と話は?)恥ずかしいとは言っていましたが、嬉しかったと思います、たぶん(笑)」


4位:川又玲瑛
「決勝は純粋に楽しかった。でも2課題目を決めきれなかったのが悔しい。あそこで完登できていたら3課題目、4課題目でもっと良いパフォーマンスができていたと思う。(最終課題でゾーンが取れれば3位だったが)力不足だった。ただ2課題目を引きずってしまったことが悔しい。本当は優勝を狙っていたので、2課題目ができなかった時点でダメだった。去年7位でギリギリ決勝に残れなくて、ずっと憧れていた舞台だった。その舞台で登ることができたのは嬉しかった。(去年は悔しさで泣いていたが)決勝でも泣きそうだったが、涙は優勝した時にとっておこうと思った。だから来年は優勝したい」


5位:小西桂
「これまでBJCは予選を通過したことがなかったので今回は準決勝進出を目標にしていたが、まさか決勝に残れるとは思っていなかった。初めての決勝はすごく楽しかった。たくさんの人が自分一人を応援してくれるので、出しきることができた。これでワールドカップにも出場できると思う。去年ワールドカップに参戦した同年代の(土肥)圭太や(川又)玲瑛が決勝に進出しているので、そこを目標にしていきたい」


6位:佐野大輝
「決勝の舞台には正直行けると思っていなかったので、すごく良い経験になって、何より楽しかった。自分は“素直な”課題が好きで、自分に合っていた予選、準決勝はいい感じで通過することができたが、決勝はパンチが効いていて、少しテイストが違っていた。実力不足だった。(高校1年生だが普段は?)愛知県のジムでも働いている。(どの辺に意識してトレーニングを?)体幹トレーニングを中心にして、昔よりパワーがついたし、体の動きも全く違ってきている。簡単な課題の(一撃を意識して登る)オンサイトトレーニングも増やしていた。(今後の目標は?)BJCでまず代表になることを目指していたが、W杯に出ることができそうなので、そこでいい成績を残したい。将来的にはコンバインドでも活躍できる選手になりたい。パリ五輪も密かに狙っている」

CREDITS

取材・文 篠幸彦、編集部 / 写真 窪田亮

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