8位で決勝に進出した楢崎明智

藤井快、楢崎明智が決勝進出/五輪予選大会【男子予選】

 28日、フランス・トゥールーズで東京2020オリンピックの出場をかけた五輪予選大会の男子予選が行われ、日本の藤井快、楢崎明智が決勝進出を決めた。

 決勝進出8名の座をかけ、22名が出場した予選。第1種目スピードは、今年2年連続となるW杯年間王者に輝いた地元・フランスのバッサ・マウェムが2回目の試技で5.687秒の好タイムを計測するなどして首位スタートを決める。日本勢は土肥圭太が2本目に6.463秒をマークして自己ベストを更新。ガッツポーズも飛び出し、隣り合わせでのレースとなった藤井らを抑え上々の4位発進となった。藤井は8位、楢崎は9位、杉本怜は13位で、いずれも悪くない滑り出しをみせた。

写真:IFSC/René Oberkirch

 第2種目ボルダリングは、結果的に3完登したうえで、要したトライの合計数が上位進出の基準となった。日本勢トップは難関の第4課題を16人目の挑戦で初登した楢崎。極小のフットホールドに体重を乗せきることができず、誰もが最後のゴール取りでスリップしてしまったが、楢崎だけは足場がブレずに2トライ目でTOPホールドに到達した。これで一時は首位に立った楢崎は最終的に3位で終え、総合順位でも暫定3位に浮上することに成功した。藤井は4位で決勝進出圏内の総合6位、スピードに続く上位を狙いたかった土肥は2完登にとどまるも総合9位で望みをつなぎ、10位に終わった杉本は総合16位でファイナルが遠のいてしまった。

 最終種目のリードは、終盤の強傾斜を切り抜けたあとの最終パートで力尽きる選手が続出。日本勢も高度40前後でフォールとなり、4名全員が10位以下に沈んでしまう。完登者は3名で、いずれもリードを得意とする選手たちだったが、大トリで登場したこの種目の世界王者、アダム・オンドラ(チェコ)がそれを上回るパフォーマンスを披露。ここまで総合4位につけていたオンドラは、苦しい表情ひとつ見せずに最終パートも切り抜け、残り2分52秒を残す最速タイムで完登。競技終了後はホッした表情も見せたオンドラは、この種目の1位を確定させて全競技を終了した。

リードで1位を獲得したアダム・オンドラ(写真:IFSC/Eddie Fowke)

 これで総合順位も確定し、1位はオンドラ、2位はボルダリングで1位を獲得するなど全種目で安定していた中国のパン・ユーフェイ、3位にはリードを得意とする若干17歳の新鋭、アルベルト・ヒネス・ロペス(スペイン)が入った。日本勢は藤井が6位、楢崎が8位となって30日(日本時間1日)のファイナル進出が決定。土肥は10位、杉本は16位で予選敗退となった。

<男子予選>

1位:アダム・オンドラ(CZE)
 28ポイント(S 14位/B 2位/L 1位)
2位:パン・ユーフェイ(CHN)
 49ポイント(S 7位/B 1位/L 7位)
3位:アルベルト・ヒネス・ロペス(ESP)
 302.5ポイント(S 11位/B 11位/L 2位)
4位:ヤン・ホイヤー(GER)
 312ポイント(S 3位/B 13位/L 8位)
5位:バッサ・マウェム(FRA)
 420ポイント(S 1位/B 21位/L 20位)
6位:藤井 快
 448ポイント(S 8位/B 4位/L 14位)
7位:ナサニエル・コールマン(USA)
 450ポイント(S 6位/B 5位/L 15位)
8位:楢崎 明智
 486ポイント(S 9位/B 3位/L 18位)
―――――
9位:ショーン・ベイリー(USA)
 570ポイント(S 19位/B 6位/L 5位)
10位:土肥 圭太
 624ポイント(S 4位/B 12位/L 13位)
11位:ニコライ・イアリロヴィッツ(RUS)
 840ポイント(S 5位/B 14位/L 12位)
12位:ステファノ・ギソルフィ(ITA)
 840ポイント(S 21位/B 16位/L 2位)
13位:アルフィアン・ムハンマド(INA)
 924ポイント(S 2位/B 22位/L 21位)
14位:ウィリアム・ボシ(GBR)
 972ポイント(S 12位/B 9位/L 9位)
15位:サッシャ・レーマン(SUI)
 1,368ポイント(S 18位/B 19位/L 4位)
16位:杉本 怜
 1,430ポイント(S 13位/B 10位/L 11位)
17位:チョン・ジョンウォン(KOR)
 1,520ポイント(S 10位/B 8位/L 19位)
18位:ヤニック・フローエ(GER)
 1,800ポイント(S 15位/B 20位/L 6位)
19位:イェルネイ・クルーダー(SLO)
 1,904ポイント(S 17位/B 7位/L 16位)
20位:アレクセイ・ルブツォフ(RUS)
 3,300ポイント(S 22位/B 15位/L 10位)
21位:アンゼ・ペハルク(SLO)
 5,780ポイント(S 20位/B 17位/L 17位)
22位:マニュエル・コルニュ(FRA)
 6,336ポイント(S 16位/B 18位/L 22位)

※上段左から順位、氏名、所属国
※下段左から各種目順位の値を掛け合わせた総合ポイント、各種目順位(S=スピード、B=ボルダリング、L=リード)
※同ポイントの場合、順位が上回った種目数の多い選手が上位。

リザルト詳細は国際スポーツクライミング連盟/大会ページから

日本代表出場選手、大会スケジュールなどはコチラから

CREDITS

編集部 / 写真 AFP/アフロ

back to top