記者会見に出席した(左から)合田雄治郎常務理事、尾形好雄専務理事、安井博志代表ヘッドコーチ

東京2020オリンピックのスポーツクライミング日本代表選考基準が発表

 21日、日本山岳・スポーツクライミング協会(JMSCA)は都内で記者会見をおこない、東京2020オリンピックの日本代表選手選考基準を発表。これまで代表選出のタイミングは明確にされていなかったが、各国が派遣できる最大2名(男女各、以下同)の選手のうち1名を最短で8月の世界選手権終了後に内定し、残り1名は場合により来年5月の第3回コンバインドジャパンカップ(CJC)で選出するとした。

 各国の選手がオリンピック出場枠を獲得できる選考大会は、複数用意されている。8月の世界選手権、11月のオリンピック予選大会、来年2~5月の各大陸選手権(日本は4月からのアジア選手権)の3大会だ。しかし日本では、これにCJCが加わることが発表された。

オリンピック日本代表 選考大会

(1)世界選手権
  (2019年8月11日~21日/東京・八王子)
(2)オリンピック予選大会
  (2019年11月28日~12月1日/フランス・トゥールーズ)
(3)アジア選手権
  (2020年4月27日~5月3日/岩手・盛岡)
(4)第3回コンバインドジャパンカップ
  (2020年5月16日~17日/開催地未定)

 各大会に割り当てられた出場枠は、世界選手権が上位7名、オリンピック予選大会が上位6名、各大陸選手権が優勝者1名だ。ただし国ごとに獲得できる枠は各大会で最大2(アジア選手権は優勝者のみなので1)であることを考慮すると、3大会を通じて最大5名の日本人選手が出場枠を獲得できることになる。

 この中で、優先度の最も高い世界選手権で上位7名に入ったうちの最上位選手が優先選考選手と呼ばれ、オリンピック日本代表として内定する。ただし、上位7名に日本人選手が入らなかった場合は、次のオリンピック予選大会に優先選考選手の決定を持ち越し、ここで上位6名に入ったうちの最上位選手が日本代表に内定。ここでも上位6名に入らなかった場合は、アジア選手権へとさらに持ち越される。

 アジア選手権までの選考大会で出場枠を獲得できた日本人選手が、優先選考選手に選ばれた選手を除いて複数名いた場合は、彼らの中でのCJC最上位選手が日本代表に決定する。複数名ではなく1名のみだった場合は、CJCでの選考はおこなわずに、その選手が優先選考選手とともに日本代表となる。

 また、日本人選手がそもそも出場枠を獲得できなかった、もしくは1名のみ(すなわち優先選考選手のみ)だった場合には、日本は開催国枠(1名分)を利用して、選考大会に出場した選手の中からCJC最上位選手を日本代表に選出する。

 今回の選考基準について、合田雄治郎JMSCA常務理事は「1人はもっとも優位な成績を収めた選手。もう1人は、短期間で伸びる選手が出てくる可能性もあり、直前で調子の良い選手を選びたい」とその意図を話した。日本代表に内定した選手は、JMSCAが日本オリンピック委員会に推薦し、正式に承認される運びとなる。

 オリンピック日本代表に直結する世界選手権コンバインドへの出場選手は、今週末の第2回コンバインドジャパンカップを経て決定する。

選考プロセスを説明する安井ヘッドコ-チ

第32回オリンピック競技大会(2020/東京)におけるJOC推薦選手の選考について

CREDITS

取材・文・写真 編集部

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