男子表彰台=(左から)ショーン・ベイリー(米国)、杉本怜、楢崎智亜

杉本怜、5年ぶり2度目のW杯制覇!/ボルダリングW杯2018第6戦 ベイル大会

 6月8・9日、米国・ベイルにてボルダリングW杯2018の第6戦が行われた。男子は杉本怜が2013年ミュンヘン大会以来2度目となる優勝を飾り、楢崎智亜が3位入賞。女子は地元の28歳、アレックス・プッチョが実に9年ぶりとなる優勝。2位に野中生萌、3位には野口啓代が入り、男女共に日本人2人が表彰台に並んだ。

 男子は日本勢から杉本、楢崎、高田知尭、村井隆一の今季最多4名がファイナルへと進出。第1課題から熱い火花を散らしたのが、これが3戦連続決勝と好調の杉本とW杯初ファイナルとなる地元・米国のショーン・ベイリー。第2課題まで2人が一撃で並ぶと、勝負を分けたのが第3課題。杉本は足場の不安定なスラブ(緩傾斜壁)からハリボテを掴むムーブを攻略して2トライ目で完登。彼らしい会心の雄叫びで喜びを爆発させた。それに続きたいベイリーは3トライ目でゾーンを掴むにとどまり、杉本が一歩リードして最終課題へ。全完登で今季初優勝を飾りたい杉本は3トライ目に片手でTOPホールドを触るが止められず。ベイリーは一撃できれば逆転優勝というトライで大声援の後押しを受けるも、こちらもゴールストップに失敗。杉本の優勝が確定した。楢崎も2完登と競るが3位入賞。村井、高田の2人は果敢なトライも完登0で終えた。

第3課題を完登する杉本。

今大会4位に入り、楢崎に4ポイント差まで迫られるも、年間1位を維持したまま最終戦を迎えることとなったイェルネイ・クルーダー(スロベニア)。

 
 続く女子の決勝には、野口と野中が6大会連続で進出。年間女王をかけて重慶大会から続いた2人の一騎打ちだったが、今大会はこれが今季初出場となるプッチョが予選、準決勝ともに首位通過し、決勝でも2人の前に立ちはだかった。第1課題は野中がいきなり一撃すると、プッチョは3トライで完登。続く第2課題は野中とプッチョが互いに2トライでの完登と譲らない。一方の野口は誰一人ゾーンに到達できなかった第3課題を2アテンプトで完登してみせるも、この1完登のみで3位と出遅れ、野中がプッチョに2アテンプト差のアドバンテージを付けて最終課題に突入した。迎えた第4課題、強い保持力を要される強傾斜課題に野中は序盤から消耗し、ゾーンを取るのが精いっぱい。それに対し、プッチョが強靭なフィジカルでゾーンを捉えると、ゴール手前のランジからアンダーで掴むムーブを決めてそのまま一撃した。過去9戦中、8戦で決勝に進むなど自国開催のベイル大会で結果を残してきたプッチョが、2009年の同大会以来2度目のW杯制覇を成し遂げた。野中は5大会連続の2位、野口は3位となっている。

 この結果を受けて、年間優勝争いは男女ともに史上稀に見る接戦となった。男子は2位の楢崎が1位イェルネイ・クルーダー(スロベニア)との差を14から4ポイント差まで縮め、女子は野中が野口を再逆転しわずか5ポイント差で首位に立った。運命の最終第7戦ドイツ・ミュンヘン大会は、約2ヶ月後の8月17・18日に開催される。

最終課題を完登し、優勝を決めたアレックス・プッチョ(米国)。

プッチョの9年ぶりの優勝に詰めかけた地元の大観衆も沸く。

女子表彰台=(左から)野中生萌、プッチョ、野口啓代。

第6戦終了後の年間ランキング。男女とも1、2位がわずかの差で、残すは8月の最終戦ミュンヘン大会のみだ。

 

<男子決勝>

1位:杉本 怜(26)/3t4z 4 5
2位:ショーン・ベイリー(22/米国)/2t4z 2 6
3位:楢崎 智亜(21)/2t4z 3 5
4位:イェルネイ・クルーダー(27/スロベニア)/0t4z 0 7
5位:村井 隆一(23)/0t4z 0 8
6位:高田 知尭(23)/0t3z 0 15
―――――
8位:藤脇 祐二(22)※準決勝進出
12位:波田 悠貴(21)※準決勝進出
13位:緒方 良行(20)※準決勝進出
15位:原田 海(19)※準決勝進出
18位:藤井 快(25)※準決勝進出
21位:土肥 圭太(17)
27位:渡部 桂太(24)

 

<女子決勝>

1位:アレックス・プッチョ(28/米国)/3t3z 6 4
2位:野中 生萌(21)/2t3z 3 4
3位:野口 啓代(29)/1t3z 2 6
4位:ファニー・ジベール(25/フランス)/1t1z 5 2
5位:キーラ・コンディー(22/アメリカ)/0t2z 0 4
6位:アルマ・ベストファーター(22/ドイツ)/0t1z 0 8
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13位:中村 真緒(18)※準決勝進出
16位:小武 芽生(21)※準決勝進出
49位:尾上 彩(22)

※左から氏名、年齢(大会初日時点)、所属国、決勝成績
※決勝成績は左から完登数、ゾーン獲得数、完登に要した合計アテンプト数、ゾーン獲得に要した合計アテンプト数

リザルト詳細は国際スポーツクライミング連盟/大会ページから

CREDITS

篠幸彦 / 写真 藤枝隆介

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