女子表彰台=左から谷井菜月、伊藤ふたば、菊地咲希

伊藤ふたば、川又玲瑛が金。日本怒涛のメダルラッシュ!/IFSC世界ユース選手権2017【ボルダリング/ユースB】

 9月3日、オーストリア・インスブルックでIFSC世界ユース選手権のボルダリング・ユースB(2002、2003年生まれ)決勝が行われた。女子は1位・伊藤ふたば、2位・谷井菜月、3位・菊地咲希と日本勢が表彰台を独占。男子も川又玲瑛が優勝し、3位に抜井亮瑛が入賞した。

 表彰台独占という快挙を達成した日本女子の快進撃を牽引したのは、決勝で唯一全完登した伊藤ふたばだ。第2課題を一撃して首位に立つと、大きな見せ場は第3課題。スタートからのダブルダイノに苦戦し他選手全員がボーナス0という展開のなか、伊藤は1トライ目から可能性を感じさせる。すると4アテンプト目で見事にダイノを完成させて完登。続く最終課題も一撃し、まさに伊藤の独壇場と言える登りで優勝まで駆け上り、今年のボルダリングジャパンカップ女王が世界の舞台でも大きな結果を残した。

 そして2位の谷井も伊藤に次いで3完登と堂々たるクライミングを披露。菊地は1完登で4人が並ぶなかボーナスの差で表彰台をもぎ取った。伊藤と並んで活躍が期待されていた森秋彩は、準決勝でボーナス数が1足りず僅差での7位敗退だった。

 一方、男子は最終課題までメダルの行方が分からない熾烈な争いとなった。第1課題を全員が完登すると、第2課題は一変して完登者なし。第3課題では川又、抜井、西田秀聖に加え、ロシアのセミョーン・オフチニコフの4人が完登。勝負の最終課題、暫定3位だった川又は二撃以内で首位に浮上する場面で見事一撃。オフチニコフを2アテンプト差で上回り、初の世界ユース挑戦で優勝を勝ち取った。抜井も最終課題を4トライ目で完登し3位入賞と、今年のユース日本選手権二種目王者の力を世界の舞台でも発揮。西田は最終課題を二撃以内で川又を抜き優勝という状況だったが、惜しくも4位に終わった。

 また、同日にはスピード・ユースA決勝も行われ、男子はロシアのセルゲイ・ルキンが同国のゲオルギー・モロゾフを0.31秒差の僅差で退け優勝。女子では準決勝で0.11秒差のデッドヒートを制したポーランドのアレクサンドラ・カルッカが昨年のユースBからの連覇を達成した。日本勢、白石阿島はいずれも予選敗退となっている。

 国内大会でも強さが際立っていたが、世界を相手にもその実力を示す形となったユースB世代。今週から始まるリードでも、男女でのメダルラッシュの再現を各カテゴリーで期待していきたい。


男子表彰台=左からセミョーン・オフチニコフ、川又玲瑛、抜井亮瑛
 

<ボルダリング男子ユースB・決勝>

1位 川又 玲瑛 3t6 3b5
2位 セミョーン・オフチニコフ(ロシア)3t8 4b15
3位 抜井 亮瑛 3t11 4b12
4位 西田 秀聖 2t4 4b12
5位 ジョシュア・フォート(フランス)2t11 3b13
6位 トーマス・ポドラン(オーストリア)1t2 2b5
—–
10位 竹田 創

<ボルダリング女子ユースB・決勝>

1位 伊藤 ふたば 4t8 4b7
2位 谷井 菜月 3t5 3b3
3位 菊地 咲希 1t1 3b7
4位 インディアナ・チャップマン(カナダ)1t1 2b4
5位 ナカイア・サンダース(米国)1t2 2b2
6位 ダリア・ファマノヴァ(ロシア)1t3 2b6
—–
7位 森 秋彩

<スピード男子ユースA・決勝>

1位 セルゲイ・ルキン(ロシア)6秒53
2位 ゲオルギー・モロゾフ(ロシア)6秒84
—–
26位 土肥 圭太 8秒48
27位 中島 大智 8秒81
48位 田中 修太 9秒98
55位 田嶋 瑞貴 10秒36

<スピード女子ユースA・決勝>

1位 アレクサンドラ・カルッカ(ポーランド)8秒67
2位 ソン・イーリン(中国)10秒52
—–
38位 白石 阿島(米国) 12秒79
56位 小島 果琳 15秒02
60位 中村 真緒 15秒30

※1・2位選手のタイムは決勝記録
※日本人選手、白石阿島のタイムは予選記録

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CREDITS

篠幸彦 / 写真 (公社)日本山岳・スポーツクライミング協会

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