緒方良行、楢崎明智がワンツーフィニッシュ!/IFSC世界ユース選手権2017【ボルダリング/ジュニア】

 9月2日、IFSC世界ユース選手権(オーストリア・インスブルック)のボルダリング・ジュニア(1998、1999年生まれ)決勝が行われ、緒方良行が1位、楢崎明智が2位に入り、見事に日本人がワンツーフィニッシュを果たした。

 ジュニア男子には今季ボルダリング日本代表としてW杯にも出場した緒方、楢崎、原田海、中上太斗の4名が出場。前日に行われた予選では全員が順当に突破していたが、準決勝で原田、中上が惜しくも脱落。決勝には6月のW杯ベイル大会で表彰台に立った緒方、楢崎の2人が駒を進めていた。

 あいにくの雨模様のなか行われた決勝。男子は第1課題から難度の高いスラブ(緩傾斜壁)が多くの選手を苦しませる。ボーナスを取ったあとの悪い足場にてこずる選手が続出するなか、5番手に登場した緒方は卓越したバランス感覚でこれを一撃。アテンプトの差で首位に立つ。

 第2課題はハリボテに散りばめられたカチが持久力を奪っていく、こちらも難度の高い課題。しかし完登者が現れずに迎えた最終7番手、楢崎がその実力を発揮する。他の選手同様、ボーナスを取ったあとのカチを両手アンダーから取りに行くことに苦戦していたが、ラストトライで片手アンダーに変更。真横にあるボテを中継点として使うことで、TOPまで登りつめることに成功した。

 この後、緒方、楢崎ともに第3、第4課題を完登。第1課題を一撃したことが大きなアドバンテージとなっていた緒方がアテンプトの差で楢崎を上回り、2年前にユースAで頂点に立って以来2度目の世界ユース王者に輝いた。

 なお、女子で日本から出場していた田嶋あいか、高田こころは残念ながら準決勝敗退。決勝進出への最低ラインが全4完登というハイレベルな戦いのなかで3完登に止まり力尽きた。優勝は0完登で迎えた第3課題からの連続完登で逆転したクレア・バーファインド(米国)だった。

 そして日本時間3日深夜には、注目のボルダリングユースB決勝が行われる。女子では谷井菜月、伊藤ふたば、菊地咲希の3名が、男子でも準決勝で上位を独占した抜井亮瑛、西田秀聖、川又玲瑛の3名が出場する。いったい何名が表彰台に上がるのか、今から楽しみだ。


昨年の世界ユースでは19位に終わっていた雪辱を果たした緒方


楢崎は第2課題を唯一完登し、2位に入った
 

<男子・決勝>

1位 緒方 良行 3t7 4b6
2位 楢崎 明智 3t9 4b5
3位 ヤン・ルカ・ポッシュ(オーストリア)2t2 4b4
4位 カイ・ライトナー(米国)2t4 4b8
5位 ヤニック・フローエ(ドイツ)2t10 3b11
6位 バティスト・オメーツ(スイス)1t2 4b5
7位 レオ・アベズー(フランス)0t 3b4
—–
11位 原田 海
17位 中上 太斗

<女子・決勝>

1位 クレア・バーファインド(米国)2t3 4b8
2位 マヤ・マデイラ(米国)2t9 4b16
3位 ジョアンナ・ホーフェル(ドイツ)1t1 2b2
4位 ユリア・パンテリーワ(ロシア)1t3 3b9
5位 ラウラ・シュテックラー(オーストリア)1t4 3b9
6位 イダ・カプス(ポーランド)0t 1b6
—–
10位 田嶋 あいか
14位 高田 こころ

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CREDITS

編集部 / 写真 (公社)日本山岳・スポーツクライミング協会

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